【d!】無感情ナース2 (ページ39)

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2日も船に乗っていると、3人の元気もほぼゼロになっていた。A国に降りると、迎えが居た。体格だけなら、ゾムと同じくらいだ。

「幹部のロヌスです。これから、迎賓館へお連れいたします」

そんな大層な身分でも無いが、言葉に甘えて迎賓館へ向かうことにした。正直、今回の関係促進を目的とした外交は、成功しないだろう。接受国がその気では無い。

車に乗り込むと、ロヌスの視線が一瞬Aの方を向いた。その視線から何も読み取れなかったAは、どこか気持ち悪さを感じた。

Aは、相手の感情を察する事は得意だ。考えることは苦手だが。

「我々国の幹部方は、美形揃いですね」

「いえ、そんな」

作り笑いを浮かべるオスマン。すると、車が止まった。どうやら迎賓館に着いたようだ。車を降りると、数人のA国幹部が居た。

「こんにちは、我々国の皆さん。A国書記長のアンドレスと申します」

「こんにちは。私は、我々国外交官のオスマンと申します。こちら、護衛のゾムと軍医のAです」

ゾムは、会話の内容が分からず、とりあえず会釈だけする。Aも、話せないけれど内容理解はできるので、ペコッと頭を下げる。これからAは、喋ることができない。

A国の書記長に連れられ、3人は応接室へ通された。赤いソファに腰を下ろし、早速本題を提示する。

「今回この国に来たのは、他でも無い…A国との同盟を結びたいのです」

「オスマン殿。非常に光栄なお話ですが、我が国の国柄を知ってのご提案でしょうか」

「ええ。貴国は、確かに他国との繋がりを嫌忌される。しかし、我々国はこうして受け入れて下さった。これは、我々国を受け入れることで貴国に利点があると捉えて下さったからでは無いでしょうか」

「流石ですねぇ。我々国の最近の成長速度には、脅威を感じる程です。1度その技術や策略を学び、我が国にも活かしたいと思い。いかがでしょう、オスマン殿」

(なるほどねぇ。こりゃワンチャン裏切られるかもしれないな。あっ、ゾムさん寝そう)

どうやら、簡単に同盟は結ばれたようだ。今日は止まっていって良いそうで、3人は別々の部屋に通された。

「A。晩飯は、下の大広間で行われるらしいで」

Aの部屋に集まった3人は、得た情報などを共有する。

「オスマンさん。話を聞いている限り、技術などを盗んで、裏切ってくる可能性が」

「勿論、知っとるで。でも、この国に我々国の技術を真似られる技術は無い」

小馬鹿にするようにオスマンが笑った。