【d!】無感情ナース2 (ページ37)

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真っ直ぐとチーノを見つめる、読めない瞳。

「今、あなたを行かせたら、確実に死にますよ。戦闘機の操作もできないような体で、何が出来ると言うのです」

「うるっさいねん。俺が1番分かっとる!!でも、行かなアカン」

「そればかりじゃないですか。……たまには、こちらから仲間の勝利を見届けてみてはどうでしょう」

「……Aに口で勝とうなんざ、100年早いねん。チーノ」

喧嘩の仲裁をしに来た鬱先生だが、その必要は無いと感じ、チーノにそう声をかける。

「あなたが死んだら、一生不在のままです。それなら、今回の戦いのみ、休みましょう」

「……すまん、A」

チーノに掴まれ、首の裏が赤くなったA。これくらいなんともありませんよ、と言うAに再度謝り、チーノは疲れて眠ってしまった。

「お疲れ様、Aちゃん。ありがとう、チーノを止めてくれて」

「当たり前のことです」

自慢するでもなく、息を吐くのと同じことだと言う感じの顔で、Aは鬱先生に答える。

さらに4日、S国が我々国に降伏した。わずか6日の出来事だった。

撤退の準備中に、救護テントに隊長達がやって来た。

「チーノー!!!平気か!?」

「行こうとしたんやけど、Aから説教受けたから行けんかったわ」

ヘラッと笑うチーノに対し、Aから説教!?と驚く皆。

「説教……というか、チーノさんが行って得になることは無いという話をしただけです」

「アーッハッハッハ!!!どストレートやな！」

コネシマの笑い声のうるささに、耳を塞ぐA。ムッとしたコネシマは、Aに軽い回し蹴りを食らわせる。

「いたっ、酷いです」

「酷ないわ」

なんて、馬鹿らしい会話をしながら、皆は我々国へ帰った。

その日の晩、Aはグルッペンに呼ばれた。

「A。まずは、お疲れ様。そして帰ってきて早々悪いんだが、明日からオスマンがA国に外交に行く」

「A国!?」

A国は、資源豊富な国だが、他国との繋がりを嫌う国だ。その理由は未だに分かっていない。前に、X国の外交官がA国に向かったところ、容赦なく殺されたらしい。しかし、我々国はA国との繋がりが欲しい。同盟を組めたら、強力な助っ人にもなる。

「オスマンは、了承してくれた。護衛として、ゾムをつける。怪我したとき用に、Aも行ってくれ」

正直、行きたくは無い。Aは生きること最優先に生きているからだ。しかし、グルッペンからの命令に逆らえる脳ミソをAは持っていない。

「分かりました」