【d!】無感情ナース2 (ページ33)

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全力で首を振る幹部たち。

「お前こそ、うちで働けよ。なぁ？」

「ホンマに」

グルッペンに同意するように、今度は頷く皆。Aも、今日初めて会ったが、いい人だと分かったので同じように首を縦に振る。

「いいけど、俺の今残ってる仕事が終わったらね」

クイッと酒を飲んだひとらんに、オスマンがどこか怒ったような口調で、一生無理やん、と呟く。

「いいとこだよ、我々国は。でも、ニホンは捨てられない」

「じゃあ、また来い」

「そのつもりだよ」

鞘を杖代わりに立ちあがったひとらんは、帰るね、と一言言って大広間を出た。明日朝にニホンに着くには、今からジェットを全力で飛ばして帰るしかない。

「ありがとう、ひとらん。楽しかった!!」

ガっとオスマンと腕を組んだひとらんは、急いで基地を出た。

「さてと、片付ける前にお前ら」

グルッペンという男から、総統という立場のグルッペンに変わった彼を見て、大広間の空気も変わる。

「S国に宣戦布告をするのだが、どうも厄介な国でな。軍事力の差はさほど無いが、毒ガスを使ってくるらしい」

「うへぇ、またマスクや」

「すまないが、ガスマスクをして戦ってくれ。このあと少し作戦会議をする。……大先生は調子悪そうやし、代わりにAが出ろ」

「分かりました。その前に、鬱先生の看病をしてからでよろしいでしょうか」

「構わない。幹部棟特別会議室で待っている」

Aは、鬱先生の方へ行くと、部屋まで行きましょうか、と優しく声をかける。

「っ、ありがとうAちゃん。げどちゃんが来るから少し無理してもうた」

フラフラとした足取りで、大広間を出た鬱先生を支えながら、Aは鬱先生の部屋へ向かう。

鬱先生の部屋のベッドに鬱先生を寝かせたAは、水で濡らしたタオルを額に置く。

「熱がありますね。頭痛などはありますか」

「ちょっとだけ」

「熱測りましょうか」

体温計を手に取ると、鬱先生の脇に体温計を挟む。ピピッと鳴って出すと、その体温の高さに思わずAは顔を顰めた。

「8度超えてる…!!よくそんな体であんなに騒げましたね。安静にしててください」

薬と、体温計、氷嚢を置いたAは、じゃあ、行ってきますね。と鬱先生の部屋を出た。会議室へ向かいながら、Aはある人物に電話をかける。

「もしもし、はい。Aです。すみません、鬱先生が熱出てるので、診てあげられますか？今から会議があるので。彼の部屋にいます」

電話の先はもちろん、救護班だ。