【d!】無感情ナース2 (ページ4)

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「あの王子キモすぎるやろ。A、平気か!?」

いつの間にかスーツを脱いだコネシマが聞く。Aは苦笑いで大丈夫ですよ、と答える。

「しかし、女性に無許可でキスをするなど、不躾にも程がありますね」

エーミールが言うと、鬱先生が童貞が何言うてんねん、と言いながら前を通りAの隣に立つ。

「皆、お疲れ様。片付けは他に任せて戻れ」

「グルさんも、お疲れさん」

労うようにトントンが声をかけると、アイツ薬品臭くてかなわねぇや、とグルッペンが愚痴を零した。

幹部たちが部屋を出ると、入れ替わるように兵士達が部屋に入ってきた。皆が騒いだ分、片付けをするのだ。

「お手伝いしますよ」

「Aさん!?」

突然現れたAに動揺を隠せない兵士達。Aは、自分たちがやったんですから、と片付けを手伝い始めた。

「Aさん。俺らがやりますから、ゆっくりお休みになられてください。昨日、寝てませんよね？」

「大丈夫ですよ」

どこかのくず上司のせいで、Aは寝れていない。一晩中書類漬けにされて、ようやく解放されたと思ったら、グルッペンから招集をかけられたのだ。それを知っている兵士達がAの体を案じて言うが、Aは片付ける手を止めない。

「健康診断の準備、全部鬱先生に押し付けて来ましたから」

今頃嘆いているだろうなと笑みを浮かべるA。

1時間後、片付けが終わり、Aは広間を出た。

幹部棟のフリースペースの自販機で、コーヒーでも買おうかと階段を降りて行くと、何やら話し声が聞こえた。

特に気にせずフリースペースに行くと、シャオロンとチーノが酒を片手に話をしていた。

「おや、チーノさん、シャオロンさん、こんばんは」

「Aやん。どしたん？」

シャオロンが聞くと、Aは自販機を指さした。それだけで伝わったらしく、チーノはああ、と声を漏らした。

小銭を入れて、ボタンを押し、コーヒーを手に取ったAは、では……とフリースペースを出ようとする。

「あっ、A」

「はい」

「今、チーノとも話しとったんやけど、東の方で、テロ組織が動いとるらしいから注意した方がええで。どうやら軍に不満持っとるらしく、チーノの隊の奴が何人か逝かれたって」

「大変ですね」

「声に覇気無いけど。死ぬん？」

チーノが言うと、Aは今11時ですよ。とあくびしながら言った。

「ホンマや。じゃ、そろそろ寝よか。シャオさん、A、おやすみ！」

そう言ってチーノは部屋へ戻った。