【d!】無感情ナース2 (ページ23)

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「離してもらっていいですか。結構苦しいんですよ」

「えっ、あっ……ごめん」

慌ててショッピが離すと、Aは早歩きで歩いて行った。

「怒らせてもうた」

深刻そうな顔で言うショッピに、チーノは肩を揺らして、堪えきれなくなった笑いを零しながら言った。

「Aの耳見てみ。赤いで」

「……可愛ええ奴やな」

立ち止まっては話している2人に、Aは振り返って早く帰りましょう、と声をかける。ふっ、と笑った2人は、急いでAの後を追った。

「酩酊状態でこういう街を歩くのは、やはり危険ですね」

「酔ってなくてもここは危ないけどな」

人々が歩く横で、堂々と違法薬物や人を売り捌く商人達。それを気にせず歩く人。ショッピとチーノは、我々国にこういった問題があることに腹を立てているようだが、今、ここに居る奴ら全員と戦って、勝つ算段は無い。

すると突然、銃声が聞こえた。すぐ様反応した2人は、Aを囲うようにして守り、ナイフを手に取る。

「おい、そこの兄ちゃん達よぉ」

「俺らのこと？」

筋骨隆々な男に対して、臆せず聞くチーノに、ああそうだよ、と答えた男は、銃を3人に向けて笑った。

「そこの女置いてってどっか行け。その女、相当な値になるぞ」

ペロッと男が舌なめずりする。Aは全身が粟立つのを感じた。

気だるそうにタバコを咥えたショッピは、チラッとチーノを見上げた。

「どうする？」

「うーん、周りにも何人か居るみたいやし、逃げるか」

数人の人の気配を感じ取る隊長2人を流石だという眼差しで見るA。

「おっと、こんなところに煙幕が」

空挺部隊が使っている煙幕。チーノは、わざとらしく煙幕を床に落とした。刹那、広がる煙。慌てて銃を乱射する男。

「こっちや」

「A、掴まれ」

細い路地に入り、パルクールのように物を上手く使って逃げるチーノとショッピ。Aはショッピの背中にしがみつくので精一杯だ。

追っ手も我々国軍の隊長達の速さには着いて来れず、あっという間に撒けた。いつもの森に着くと、疲れたようにショッピとチーノが大木に寄りかかる。

「ショッピさん、ありがとうございました」

「なんの荷物にもなってへんから、大丈夫やで」

「確かに、軽そうやもんな」

垂れてきた汗を拭ったチーノが言うと、Aは瞬きをして言う。

「平均体重くらいですよ」

「どっちでもええわ」

「っくしゅ!!」

「風邪でも引きました？」

「んな訳」