【d!】無感情ナース2 (ページ22)

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「私の話ばかりじゃなくて、お二人の話も聞かせてくださいよ。お2人はなぜ、我々国軍に？」

いきなり聞かれ、2人はビクッと肩を揺らした。

「俺は…コネシマさんに無理やり連れてこられて、やってるうちにいつの間にか幹部になってた」

「俺は、トントンに」

「でも、恨んでる様子は無いですね」

「当たり前やん」

真っ直ぐと、迷いなく言うショッピとチーノの姿を見て、Aはコネシマさん達に見せてあげたいなぁなんて考えていた。

「んじゃ、そろそろ出よか」

ショッピが言うと、チーノは大きく咳払いをした。2人の視線がチーノに向くと、拳を突き出して、言う。

「ジャンケンしよか」

「は？」

「そんな冷たい反応せんとってや。会計の話」

そんなことか、と呆れたショッピは、お前払えよとチーノに言って店を出た。Aも巻き込まれる前にサッサと店を出て、チーノに会計を押し付ける形になってしまった。

「もぉ、お前ら嫌いやぁ」

財布の中身を見てトボトボと店を出てきたチーノ。ショッピは、タバコを咥えて歩き出した。

「チーノさん」

「何？」

チーノは数十センチ下にあるAを見下ろした。するといきなり、Aはチーノのズボンのポケットに手を突っ込んだ。突然のことすぎて、ショッピはタバコを落とし、チーノは顔を赤くしている。

チーノがポケットに手を入れると、カサっという紙の音がした。バッとAの方を見ると、Aは濃艷に笑って、親指と人差し指で丸を作った。

「私の分は、出しますよ」

そう言ってAは、カバンからタバコを取り出した。カチッと火をつけると、その音に反応してショッピがAの方を向く。

「吸うん!?」

「なんですか。別に吸いますよ」

紫煙を吐き出したAは、物珍しそうに見てくるショッピとチーノを鬱陶しい、という目で見る。

それに何を刺激されたのか知らないが、チーノはAに抱きついた。ぎゅうっと厚い胸板に顔が押し付けられる。

「苦しいです」

「ショッピ。やっぱ、アカン。こいつ喜ばへん」

「体をキツく拘束されて喜ぶ人が居るのでしょうか」

「ええか、A。これはハグっちゅうねん」

「そうですか」

携帯灰皿に吸殻を入れたA。すると今度はショッピがAを抱き締めた。お前じゃアカンわ、と嘲笑うようにチーノを見て。

「鍛えられてますね」

「他は？」

「特には無いですね」

ショックを受けたショッピは、道のど真ん中でAを抱き締めたまま固まった。