【d!】無感情ナース2 (ページ12)

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夕食の時間になり、シャオロンと共に食堂へ下りる。大きな食堂の扉を開けると、皆が手を振ってAを迎えてくれた。

「生きとった！」

「本物の機械になっとるんとちゃうか？」

「相変わらずですね。皆さん、お久しぶりです」

そう言って席に座ったAは、早速食事に手をつけた。

「…美味しい」

「それ、シェフに言ったれや。喜ぶで」

口周りに米粒をつけたゾムが言うので、Aはクスッと笑ってゾムの顔に手を伸ばす。

「ちょっと失礼しますね」

指で米粒を取ってやると、ゾムは嬉しそうに目を輝かせた。Aの指についた米粒をパクリと指ごと食べると、鬱先生やから悲鳴が上がり、他幹部達からはブーイングが上がる。

「A。好きでもない男に軽々しくそういう事したらアカンで」

お母さんのように説教を垂れるトントン。Aは首を傾げて言う。

「好きですよ」

「は？」

「A～」

ガチトーンのトントンに、Aに擦り寄るゾム。グルッペンは大声を上げて笑いだした。

「Aの言う好きは、仲間としての好きだろう？ゾムも好きだし、大先生も、トントンのことも好きなんだろ？」

「ええ、そうですけど。ああ、もしかして、恋愛感情での好きかと思ったんですか。私には感じることの出来ない感情なので、そこら辺の心配は要らないですよ」

「なるほどな」

安心した幹部達は、再び食事を食べ始める。

「あっ、グルちゃん。俺1週間くらい、F国に手伝いに行ってくるから、空けるで」

「分かった。じゃあ、その間医務室はAに任せる」

「はい」

そのやり取りを聞いていたオスマンは、ニッと口角を上げた。

「ようやくや」

「どうしたん、オスマンさん」

隣に居たエーミールが聞くと、オスマンはなんでもないで、と返した。

「ごちそうさまでした」

食器を戻したAは、食堂を出ようと扉に手をかける。しかし、グルッペンがその手を握って止めた。

「どうしました？総統閣下」

「……少し付き合え」

「総統閣下の命であれば」

上下関係に従順なAは、大人しくグルッペンの後ろを着いて行った。

「隊長方!!グルッペンさんとAさん一緒にしていいんですか!?」

まだAを疑う兵士が聞くが、皆は平気やろ、と気にせず談笑を続けた。

総統室ではなく、グルッペン自室に連れてこられたAは、内装のグルッペンらしさに苦笑いを浮かべる。

「それで、突然で悪いが……マッサージをしてくれないか？書類漬けで疲れているんだ」