【d!】無感情ナース2 (ページ2)

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夕方。我々国の軍基地の前に、高級車が停まった。車を降りてきたのは、ガタイの良い護衛と、美しい顔立ちの、王子様。

カツカツと革靴の音を鳴らして、我々国の兵士たちの間を通り、用意された広間へと歩みを進める。

広間の扉を開けると、幹部とグルッペンが一斉に立ち上がり、王子を迎える。

「お待ちしておりました。グロル王子」

「こちらこそ、私めのために、このような会を開いていただき、恐悦至極に存じます」

王子は、グルッペンの隣に座り、美しい笑みを浮かべて卓上の料理を見つめた。

「流石、仏と言われとるだけあるな」

Aの隣に座るロボロの言葉に、Aはそうなんですか？と聞く。

「いつでも笑ってることから、仏っちゅうあだ名がついたらしいで」

「どちらかというと、妖精のようですよね」

Aが言うと、ロボロの左隣に座るショッピが、Aが言うん？それと半笑いで呟いた。

イブニングドレスを着せられ、軽く化粧を施されたAは、天女かと見間違うほど美しかった。コネシマは、自慢気な顔で、アイツは黙ってれば美人やねんと、失礼極まりないことを堂々と言う。

「それでは、我々国とルヴァンシュ王国の今後に、乾杯」

グルッペンの乾杯の挨拶に、皆はまん……と言いかけたあと、堪えて乾杯!!とグラスを掲げた。

「グロル王子殿。貴国の技術力には、驚かされる事が多々あります。今、1番力を入れている研究など、教えて頂いても？」

「現在は、薬に力を入れています」

「薬ですか」

「ええ。軍事利用できぬものかと、日々頭を悩ませておりまして」

グルッペンと王子の会話をよそに、鬱先生は離れたところで、ロボロを睨みつけていた。

「ずるい……バリ綺麗なAちゃんの隣座りたかった」

「しゃあないやん。家柄順に座るのが決まりなんやから」

トントンの声に、鬱先生は知っとるわ。とまだ恨めしそうにロボロを見ていた。

「我々国の幹部方は、非常に優秀だと聞いております。そういえば、最近新たに幹部が加わったと…」

ふと、王子と目が合ったA。王子は、Aを見た瞬間、目を開いて、席を立った。Aは、すぐに目を逸らして、ロボロに苦手な料理を食べて貰っていた。

「ありがとうございます。ロボロさん」

「Aも嫌いなもんあるんやなって…A、後ろ」

慌てたようにロボロが頭を下げて言うので、Aはクルッと後ろを見た。

そこには、目にハートでも浮かんでいるかのような表情を浮かべる王子がいた。