転生したら鬼人だった件【転スラ】

第43話 ページ47

……………。
トレイニーさん、めっちゃ優雅に茶啜ってる…。


｢会議を続けるぞー。オークたちの目的について、何か意見のあるものは居るかー？｣


おお、動じないな、リムル。


｢…思い当たることがひとつ…｣

｢うん？なんだ？A。｣

｢…ソウエイ、私たちの里、調査してきてくれたか？｣

｢…はい。｣

｢その様子じゃ、やっぱり無かったみたいだな…。｣

｢はい。同胞のものも、オークのものも、ただのひとつも…｣

｢何が？｣

｢死体です。｣

｢え！？｣

｢20万もの大軍が食えるだけの食料を、どうやって賄っているのか疑問だったが…｣

｢それってまさか…｣

｢ユニークスキル、飢餓者(ウエルモノ)。｣


リムルの疑問に答えたのはトレイニーさんだった。


｢飢餓者…｣

｢世に混乱をもたらす最悪の魔物、オークロードが生まれながらにして保有しているスキルで、オークロードの支配下にある全てのものに影響を及ぼし、イナゴのように周囲のものを食べ尽くす。
喰らった相手の力や、能力までも取り込み、自分の糧とするのですわ。

リムル様の捕食者やA様の亜空間制御と似ていますわね。

飢餓者の代償は、満たされることの無い飢餓感。オークたちは、果てしない飢えを満たし、力を得るためだけに進むのですわ。ただそれだけが彼らの王の望み故に。｣


そう言ってトレイニーさんはまたお茶を啜った。


なるほど、オークの目的はより強い魔物を喰らい、その力を奪うこと、か。そりゃ、オーガの里は格好の餌食だろうな…。


｢ん〜〜〜…！と、なるとだな。うちも安全とは言い難いな。｣


リムルが伸びをしてそう言った。


｢テンペストウルフに鬼人、悪魔に空紅鷲獅子(スカイレッドグリフォン)、ホブゴブリン。味はともかく、オークたちの欲しがりそうな力を持った餌だらけだ。｣

｢リムル…オークが1番喰いつきそうなスライムがここにいるだろ？｣

｢？どこに？｣

｢ふふっ｣

｢A様こそ、同じ鬼人とはいえ、俺たちとは格が違いますからね…間違いなく、狙われる本命でしょう。｣

｢私が？まさか。｣

｢ははっ…｣

｢それに…オークロード誕生のきっかけとして、魔人の存在を確認しております。貴方様方には放っておけない相手かと思いますけど。｣

｢魔人か…｣

｢いずれかの魔王の手のものですからね。｣

｢ふむ…。｣

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