BREATHE -prologue- (ページ2)

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2話.カフェラテページ2

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一瞬何が起きたかわからず、カフェラテ色に染まってしまった服の袖とその先にある真っ赤な手を見つめる。

左手に広がる痛みに、人にぶつかって火傷してしまったんだと気づいた。

「大丈夫ですか！？」

二人の声がかさなる。

私のやや上から降ってくる声のもとをたどると、さっきカフェで見かけたシュッとした男性だった。

どうやら、トイレから出てきた彼と運悪くぶつかってしまったらしい。

「ごめんなさい！大丈夫？火傷しましたよね！？」

「いえ、こちらこそすみません。コーヒーかかってないですか？」

よかった。幸い相手に怪我はさせていないみたい。

「僕は大丈夫だけど、それより手、赤い……ちょっと待っててください！」

彼は赤く腫れた私の手を痛々しげに見つめながらそう言うと、たったいま出てきた男子トイレに急ぎ足で戻って行った。その間にもジンジンと火傷が痛みだす。

「僕が使ったので申し訳ないんですけど、これですぐ冷やして、あのっ……」

すぐに出てきた彼は、水で濡らしたハンカチを左手にそっと乗せてくれた。冷たい刺激に一瞬、鋭い痛みがおそう。

「僕もう飛行機乗らなきゃいけなくて、時間ギリギリで、ごめんなさい、ちゃんと手当できなくて、どうしようかな……仙台行きじゃないですよね？」

彼は焦ったようにゲートの方を気にしつつ、もう搭乗が始まっている仙台行き最終の飛行機に乗るのだと言った。

私も最終便の大阪行きだと告げる。