やっぱり面倒くさい ページ9
自室にて友人の佐藤とLINEをしていたA。
佐藤ドS旦那にイジメられてないよね
AドS旦那…って採菊さんの事?
佐藤その通り
A変なあだ名〜。でも納得できます
佐藤でしょう。君の旦那は腹黒い
佐藤そんでもって,ツンデレ男子
Aふむふむ。
佐藤私には分かる勘が働いた
────────────────────
佐藤とのLINEを終えて,水を飲む為にリビングに出てくるA。出来るだけ足音を立てないようにキッチンに向かう。部屋で仕事の書類を作成している条野に気を使っているのだ。
『(仕事の邪魔しちゃ悪いですからね)』
蛇口を捻ってコップに水を汲むと其れをユックリと飲むA。
『…採菊さんに珈琲でも用意しよう』
と呟いてポットのスイッチを入れようとした時だった。
「嬉しいですね」
部屋に居るはずの条野が背後に立っていたのだ。ビックリし過ぎて言葉を失うAを後ろから抱き締める条野。
「驚きましたか?」
『……心臓が止まるかと思いましたよ…って
どさくさ紛れに抱き着かないで下さい!!』
「私達は夫婦ですよ。少しは甘んじて下さい」
『珈琲を淹れたいんです』
ムーと頬を膨らませるA。仕方なく離れたが心の中で「可愛い」を連呼する条野。
『(何処がツンデレか…確かめてみたい)』
恥ずかしいのを我慢しながら隙をついて条野の背にピトッとくっ付くA。
「私,部屋に戻りますね」
ベリッとAを引っ剥がして部屋にイソイソと戻って行った条野。Aの予想だとニヤニヤしながら抱き締めてくると思っていたが……。
『やっぱり…面倒くさい人』
と溜息をついて珈琲のドリッパーを棚から出すA。
──────────────────
条野の自室にて
扉の前で盛大に溜息を着く条野。何かを呟きながらズルズルとしゃがみ込む。
「何ですか急に…。嫌だ嫌だと逃げる癖に…行き成り抱き着いて来るなんて……。あれは絶対に無自覚でしょうね……。」
思わぬ形でツンが出てしまった事を後悔する条野。
125人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御影 | 作成日時:2022年12月2日 13時