与謝野先生の妹,無明の王と政略結婚しました【条野採菊】 (ページ12)

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作戦続行ページ12

「学校の方は如何でしたか?」

『変わりなく』

「…一緒にお茶でもしませんか?」

『レポートがあるので』

ノートパソコンでレポートを書きながら返事をしているA。故に今,条野が悪い笑顔を浮かべているなんて気付いていない。

「(中々しぶといですね)」

珈琲を淹れながら条野は不機嫌そうな雰囲気を醸し出しているのに気付いたA。気不味くなって携帯を持ってベランダに避難する。そして作戦を提案してきた張本人。佐藤に電話をかける。

〘は～い。どうしたの?〙

〘採菊さんの機嫌を損ねてしまいました〙

〘うんうん。順調だね〜〙

〘順調!?この状況がですか?〙

〘うん。このままツン状態を続けて〜
その内,ドＳ旦那様がしびれを切らして…ﾆﾔｯ〙

〘えっ…ちょっと,何を考えてるんですか…〙

〘んじゃ!私もレポートあるんで〙

一方的に電話を切られてしまったA。今更ながらに佐藤も相当のＳだと気付かされた。
『あ～…終った〜』とベランダでしゃがみ込んでしまうA。

するとベランダの扉がカラカラと音を立てて開けられた。「風邪ひきますよ?」と呆れ顔の条野。Aの手を優しく掴むと部屋の中に入らせた。

『はい…』

「全く貴女は……」と呆れた声でヤレヤレと首を振った条野。

『(気の所為でしょうか?何時もと様子が…)』

気の所為では無い。ここから条野に反撃されるなんて思ってもいないA。条野が不気味な笑顔をしているのにもまた気付かずにいた。