しつこい ページ6
「Aちゃ〜ん,どうしたの？上の空だよ」
『いえ…少し』
専門学校の同級生の女の子とランチをしているA。心配はかけたくないので眉を八の字にして事情を話す。
「結婚!?同棲!?猟犬!?待って情報量多ッ!!」
『叫びたくなる気持ちも解りますが…シー…。』
苦笑いをして同級生を落ち着かせるA。幾らか落ち着きを取り戻した同級生が結婚した相手の顔を見たいと云い出した。
『生憎,写真を持ってなくて…』
「んじゃ,直接逢おう」
───────────────────
時を同じくして猟犬の本部。同棲生活をし始めたと知った��子が揶揄うつもりで条野にあれこれ質問すしたが。全部真面目に答える上に…
「Aさんが可愛すぎて辛い」
「随分と惚気けておるの…」
「頭打ったか？」
何時もなら辛辣な言葉を云う条野が云われる側になっている。
「…頭は打ってませんよ？」
と若干キレ気味の条野の携帯の着信音がなる。
〘あの…採菊さん〙
〘はい,どうしましたか？〙
明らかに機嫌が良くなる条野。
〘今日…友人と放課後,買い物に
行くことになったので…帰りが少し遅くなります〙
少しだけムッとなった条野。
〘相手は誰ですか？いつ頃帰られる予定で？〙
「独占欲が見え見えじゃ」
��子の発言に首肯く末広。
〘あっ…えっと相手は同級生です。
五時半には帰宅しますので…。〙
すると条野から携帯を取り上げてAと話をし始める��子。
〘気にせず行って来い。儂の方から伝えておく〙
〘ありがとうございます〙
電話を切って条野に携帯を返す��子。
「何するんですか？」
「学友との交流くらい許してやれ
因みに電話で買い物に行く相手とも話したが
女子じゃった」
「そうですか…其れならまだ」
「あまりしつこいと嫌われるぞ」
末広にバッサリと云われて,エッジの効いた微笑みでキレる条野。
「云われなくても分かってますよ」
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作者名：御影 | 作成日時：2022年12月2日 13時
