キミのことばかり見てた ページ8
中学生山本×中学生A
†
山本side
「はぁ……」
溜め息をつく。
今日は何をやってもだめだ。
朝練は遅刻するし、昼飯ん時の牛乳は溢すし。
今日の星座占いだって、最下位だ。
「……はぁ」
「……ちょっと？」
俺の溜め息にAが目くじらを立てた。
「キミってばずっと元気がないようだったけど、溜め息ばかりついて言われ待ちかい？」
「言われ待ちって！ 容赦ないな〜……」
厳しい言葉に力なく返答した。
「今日はずーっと最悪続きなんだ……」
「ふぅん？」
ここは応接室。
Aは難しそうな書類に目を落としている。
俺は黒いソファーに座って、Aが仕事を終えるのを待っていた。
今日はAとずっと一緒にいたい。
そのことを彼女も分かっているようで、俺を邪険に扱うことはなかった。
少し意識してくれているようで、耳が赤い。
Aが可愛い。今日も可愛い。
「……へへっ」
幸せで笑うと、彼女はむっとした。
「なにを笑っているのさ」
「別になんでもないのな〜」
「……嘘だね。また下らないこと考えてるんだ」
Aがこっちを睨む。
やっと目が合った。
嬉しくてへらりと笑うと、Aはすぐに真っ赤になって下を向いた。
可愛い……。
じぃっと見つめていると、勢い良くペンを置いた。
それから起立して、俺をキッと睨む。
鞄を持ってつかつかとソファーまでやって来ると、隣に腰を下ろした。
鞄から、恥じらいのためかおもむろに取り出されたのは、小さなプレゼントの箱だった。
あ！
「俺の誕生日覚えててくれたのな！」
「まぁね」
Aはそっぽを向いた。
俺は嬉しくって、「ありがとな！！」と笑った。
ラッピングを解くと、中にリップクリームが入っていた。
保湿の、薬用リップクリーム。
「プッ、プレゼントとしてはどうかと思ったんだけどね！！」
俺の反応に耐えられなかったのか、Aが叫んだ。
「最近、キミってば唇ぺりぺりで痛そうだから……だから……」
「嬉しいぜ！ ……俺のこと心配してくれたのか？」
「心配だなんて！ そんな……ことっ」
ぱちっと、目が合う。
Aの黒目。照れと動揺で泳いでいる。
ぐっと胸がいっぱいになった。
俺、絶対星座占い一位だ。
そうに決まってる。
にやにやしていると、彼女は「ばかっ」と言ってから、ふわりと笑って、
「山本……お誕生日おめでとう」
って言ってくれた。
-end-
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紅うさぎ(プロフ) - 果口 陽暉さん» 三年越しにすみません！ 見落としてました…。。今さらの回答となってしまって申し訳ありません！ 更新がんばります！ (2020年5月4日 1時) (
レス) id: 8620c16f31 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - もう、更新されないのでしょうか？気長に待ってます (2017年11月26日 17時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - るらりさん» すみません！更新します！！！ (2016年6月8日 5時) (レス) id: 3b29655bc4 (このIDを非表示/違反報告)
るらり - 面白いです！頑張ってください！ (2016年6月6日 23時) (レス) id: 8d6d4eade5 (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 魔太郎@バンガセloveさん» ありがとうございます。また更新しますね(笑) (2015年11月30日 1時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
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