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部屋を出ようとすると、先に扉が開いた。
そこにいたのは、山本 武だ。
「あ……。こ……小僧見なかったっスか？」
「山本 武……」
やっぱり幼い。かわいい、彼。
「さーね」
意地悪して、今度こそ部屋を出た。
ついてきた哲が、苦笑いする。
「少し意地が悪いのでは？」
「いいや、これぐらいでいいのさ。馴れ合いはさせない」
「山本さんにまで」
「……そんなに意地悪く見えたかい？」
哲はこくりと頷いた。
「ええ、見えましたとも」
「……」
「分かってますよ。貴女の意図を。私はね。でも、彼らからしてみれば恐ろしかったでしょうね」
ジロリと哲を見た。哲はけろっとして、
「気持ちは分かりますが、冷たくしすぎてはなりませんよ」
と、言った。ふん、と、鼻で返事をする。
ボンゴレアジトと僕の屋敷の境界線に立つ。
僕は尋ねた。
「哲。ミヤビから連絡は？」
「………………いいえ」
哲は首を横に振った。
ミヤビから連絡が途絶えて二週間。彼女はフランスへ飛んだっきり帰ってこない。
「ミヤビなら大丈夫ですよ」
「……キミはどうなのさ」
哲が黙る。
「キミのその目の下の隈……寝れてないんだろう。ミヤビを心配してるのは僕もだけれど、僕なんかよりキミのが……」
「……私は……」
「休むといい、哲。しばらくね」
屋敷に入った。
哲に「部屋まで送るよ」と言うと、彼はやんわりと断った。
「…………A」
驚いて振り返った。
哲にその名前で、しかも呼び捨てで呼ばれるのは久々だった。
「Aのことだって心配してたんだからな」
「……うん」
「Aが最強だって分かってる……しかし、俺たちは色んなものをなくしすぎた。今あるものしか、もうないんだ」
死は平等に降り注いだ。
ボンゴレの関係者はことごとく消された。
赤ん坊の顔を思い浮かべた。
それから、武の父親。
それと、僕の父親と、母親も。
「しばらく此処にいるのか？」
「しばらくはね。次に出掛けるときはミルフィーオーレを咬み殺したときだ」
それを聞いた哲は嬉しそうに笑った。
ミヤビが帰ってこない今、哲は不安だったのだろう。
「承知しました。少し仮眠をとります。なにかありましたら叩き起こしてください」
哲が彼の部屋のほうへ消えた。
僕は彼の言葉を口にする。
「今あるものしか、もうない……か」
ミヤビ。何処へ行ってしまったの。
『ボンゴレ狩り』という、不吉な言葉が頭のすみに浮かんだ。
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紅うさぎ(プロフ) - 果口 陽暉さん» 三年越しにすみません！ 見落としてました…。。今さらの回答となってしまって申し訳ありません！ 更新がんばります！ (2020年5月4日 1時) (
レス) id: 8620c16f31 (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - もう、更新されないのでしょうか？気長に待ってます (2017年11月26日 17時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - るらりさん» すみません！更新します！！！ (2016年6月8日 5時) (レス) id: 3b29655bc4 (このIDを非表示/違反報告)
るらり - 面白いです！頑張ってください！ (2016年6月6日 23時) (レス) id: 8d6d4eade5 (このIDを非表示/違反報告)
紅うさぎ(プロフ) - 魔太郎@バンガセloveさん» ありがとうございます。また更新しますね(笑) (2015年11月30日 1時) (携帯から) (レス) id: 6f89c7bf5f (このIDを非表示/違反報告)
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