人それぞれ【d!】 (ページ25)

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ツンデレもご自愛ください。【shp】ページ25

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ぱっとしょっぴくんの手が離れた。じんじんと痛む頭を自分の手で労りつつ、恨めしい思いでしょっぴくんを見やる。ふん、と軽く鼻を鳴らしたしょっぴくんはそのままパソコンに向き直ってしまって。くそう、同い年だってのに手強いよしょっぴくんよ……。

｢おなかすいた……｣

一言呟いて、私も大人しく机に向き直った。放り投げていたシャーペンを持って、芯を出す。えーと、どこまでやったんだっけ……。

｢……終わったら｣
｢え？｣

キーボードを叩く音は止まらない。しょっぴくんの視線は相変わらずパソコンの画面を見つめている。耳に飛び込んできた小さな声は聞き間違いだったのかなと、思い直しかけたところ。

｢……お前がそれ終わらせたら、ラーメン屋でもなんでも連れてけばええんちゃう｣

……え、聞き間違い？聞き間違いじゃないよね？
パソコンの画面を睨みつけるしょっぴくんの眉間の皺が、何かを誤魔化すように深くなっているのは気のせいだろうか。いや気のせいじゃないな、絶対。つまるところ、このしょっぴくんという同級生はちょっと暴力的でツン九割のツンデレであるだけなのだ。いや〜全くもう素直じゃないなあしょっぴくんてばもう！

｢いたっ！えっ、なに？！｣
｢声に出てる｣

しょっぴくんを見てにやにやしていた私の額にバチバチのデコピンが決められて我に返る。しょっぴくんの耳の先がほんのちょ〜っとだけ桃色になってたのは、彼の威厳のために言わないでおいてあげよう。可愛い同級生だよほんとに。

｢よーししょっぴくん、私あと三十分で終わらせるわ｣
｢一分でも過ぎたら行かないんで｣
｢うそでしょ？！｣

大急ぎで再度ペンを握りしめた私を見てしょっぴくんがけらけらと笑う。この後の美味しいラーメンのために脇目も振らず課題に必死になっていた私は、パソコンに向かうしょっぴくんが時々私の方を楽しげに眺めていたことなんて、知る由もないのだ。

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