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＿＿どうも、事と言うのはこう言う事らしかった。
元来引っ込み思案で、泣き虫な少年は、元々虐めを受けていたらしい。
だが少年は、幸か不幸か＿＿この場合は不幸に働いた＿＿、その容貌は非常に美しく、子供とは言えど女が目を付けぬ筈も無かった。それで増々過激になった。
とうとうしかし今日と言う日、主格の子供が好いていた女子から、告白なるものを受けてしまったらしい。当然、少年は彼女の事を好きだと言う訳でも無かったので、断りはしたのだが＿＿、
それが、いけなかったらしい。
Aは嗚咽交じりの少年の話を聞きながら、
(最近の子供って、こんなマセてるのかね)
と思った。
少なくとも、Aの記憶の中に、そんなごたごたの『事』に巻き込まれた事は無い。Aの環境が特殊だったのかも知れないが、この場合は如何なのだろう、とAは思う。
「……お姉さんみたいに、強くなれば、良いんですか？ 別に、こんな顔に生まれたくて、生まれた訳じゃないのに、……」
そう言って、又ぐずり始めた少年の、俯いた首筋の辺りをAは見下ろして居た。
(……)
Aは困窮した。
抑も、悩み事を人に聞いて貰うのは、自分の悩み事に人の助言が欲しいから、と言うよりは、聴き手が自問自答の手助けになってやる、と言う意味合いが強い。
だが、年端も行かぬ子供が曲りなりに答えを見つけ出そうとするには、少年は余りに繊細だったし、事も簡単な物では無かった。実際少年は先程、Aが通りすがらなければ死んで居たのである。
(別に、私は、強くない)
Aは強くそう思った。自分が強い、などと過信した事は無い。
空の事となると自信がない訳では無いが、自分が強い、優れていると考えた事があるだろうか。
(……)
Aは暫し考え込んだ。返答の次第によっては、少年の繊細な先を壊しかねぬと言う事を正確に理解して居たから、迂闊に口を開けなかった。
「……私の眼元、黒子があるんだけど、見える？」
Aは、一見全く関係のない事を言い出した。啜り泣きをする少年はそれに暫く訳が解らないで居たが、Aの顔を振り返る様に見上げた。
向かって右、左目の眼尻に刻まれている。
少年が頷くのを確認して、Aは前から目を離さないままで、話をした。
「『
＿＿Aは殊更こういう、小さな嘘を操るのが巧かった。
「泣き虫だったからさ」
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
