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『イーグル』は、垂直に降り続けていたそれを、
そうして、そのまま然し降下を続けていく。
ひとらんらんの頭上、風邪を切る音とともに、ふっと影ができた。
「……！」
まさか、と思い、ひとらんらんがぱっ、と上を見上げると、あの人影が、斜め上から落ちて来ていた。
(あっ)
と思うより早く、やや前進しつつも勢いを殺す処か速度を増して、降下を続けた『イーグル』が、人影の下にすんでの処で滑り込む。
人影____Aの落下してつい真上にある身体を、ひとらんらんは反射的に受け止めた。
『イーグル』は、自らの身体の上に起こった事を知ってか知らずか、勢いのままに地上へ迫り、
ギャッ！！
と言うブレーキの様な音と共に、地面へ滑り降りる様に停止した。
「……」
この一連の
そんなひとらんらんの腕に、背と太腿の裏を手に支えられた状態でいるAは、そんな事を知らないのだろう、
「ナイスキャッチ」
と、呑気な口調で言った。
「……滅茶苦茶吃驚したんだけど！？」
ひとらんらんの必死の抗議にも、Aは愕きの能天気さで、
「あれ？ 耐性あるんじゃなかった？」
と、小首を傾げる。未だその身体はすっぽりと、ひとらんらんの腕の中に収まった儘だ。
「そう言うのじゃないから！！」
ひとらんらんの言葉に、Aは愈々首を傾げる。Aの方は、ひとらんらんが『吃驚した』理由を解って居ないらしかった。
Aからすれば、こんな物は日常茶飯事に起こす『お遊び』なのであって、ひとらんらん達で言う処の『内ゲバ』のレベルか、それ以上に軽い気持ちの遊戯なのである。
そう言う価値観の差異があるので、Aは今回ばかりは、「自分が可笑しい」と言う方向に思考が回らない。
ひとらんらんの言葉の妥当性の検討より先に、
「之位は、普通だ」
と言う感覚が来る。
補足すると、一般論で言えば、ひとらんらんの方が正しい。
「はー、もう、心臓悪ッ……！」
ひとらんらんが息を整えていると、
「あっはっはっはっは！！」
と、Aは豪快に大笑いした。
鳳仙花の種が弾ける様なその笑声は、空のずっと先まで響く程快活な音だった。
そして、ひとらんらんの見た事のない笑顔だった。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
