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「普段通り飛んでも、大丈夫みたいだから」
経験による裏付けのされたその言葉に、ひとらんらんはやや眉を顰める。
(此奴、本当、……)
休憩した方が良いのか、はたまた気圧の変化などは離着陸の回数が多い程体に
ひとらんらんは其処等辺を判別するだけの専門的な知識は無い。
だが、少なくともAの言葉が『経験』と言う、
(冗談じゃない)
とは、思って居る。
ひとらんらんは無口と言う訳ではないが、かといって御喋りでも決してない。
その上、
そう言う処があるから、不確実だ、と思われるような所には言及せず、こう
ひとらんらんは、Aの言葉に突っ込んで訊く事を敢えてしないだけで、思う処は多々あるのである。
ひとらんらんは穏健な人間だし、蒙昧では決してない。寧ろ聡明と言って差し支えは無い。
だから、Aに説教紛いの事をしたって、暖簾に腕押しなのだろうと、そんな事は解っている。
だからと言って、何もせず、本人の好きなままに、と放逐するには、ひとらんらんは『命』と言う処に敏感だったし、優しすぎた。
結果ひとらんらんは、その二つの間の中に、何かある度にゆらゆら揺れている。
聡明である、と言うのも、又同様に優しすぎる、と言うのも、少し考えモノなのかもしれない。
「……莫迦」
ひとらんらんは、そうとだけ言った。様々な事を含んだ、苦労的な恨み言を含んだ言葉だった。
『大丈夫』な訳がないのだ。
Aの心底の空への思いを知って居るからひとらんらんは言わないだけで、本当は、
(飛ぶのだって、辞めてしまえばいいのに)
と何処かで考えて居る所は否めない。
ひとらんらんには解らない。
寿命を削ってまで空を飛ぶ事が、本当にそんなにも
今回の飛行は自分から誘って居る所もあって、ひとらんらんは余計言う事も無い。
だが考えてはいる。
『生きる』方向に、意識が向かないか、と。
Aはその言葉を正確に理解した、と言うより、その言葉の端々からそう言う処を感じ取ったのだろう、苦笑を零す。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
