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が、それが粋がった物では無く、寧ろ穏やかな青年めいた処がある。
不遜なほどフランクな部下達への態度は、それと類義に当るかは判らないが、姉御肌、とでも言うべきか。
其処が、Aの
その性格や立ち振る舞いに、余りにもその口調が似合って居る為、と言うのが大きいのだろう。
「このまま東に行ったら、この前君が連れてってくれた丘に出ると思う。あんな所があったなんて、全然知らなかったけど」
上から眺めてるのになァ、と独り言ちるA。
「全部網羅って訳には流石に行かないでしょ」とひとらんらんは呆れ半分に言って、ふとその方に思考を巡らせる。
きっと、もう葉桜になって居る頃だろう。
ひとらんらん達が訪れた頃には、花の盛りをやや過ぎた頃辺りで、桜の花弁の散る姿が、咲いている印象よりも強かった。と、ひとらんらんは思う。
それは、ひとらんらんの生まれの場所の美学が、其方を印象付けただけなのかもしれないけれど。
「一旦、何処かに下りようか？ 少し空気が薄いと言うか、飛行機程じゃないけど、気圧の変化もあるし、疲れてない？」
Aは首を傾げてひとらんらんを振り返る様に見遣りながら、気を使った。
「否、俺は大丈夫だけど……」
寧ろ、楽しい思いをしている。と、ひとらんらんは思う。
物事が楽しい時と言うのは得てして、疲れも苦悩も頭から奇麗さっぱり消えるものである。
だが、Aは？
Aが空を愛して居る事は当然の事だし、ひとらんらんよりもずっとその場に慣れているのだから、
然しAは、常の身体ではない。
然も、その疾患の症状やら部位やらで言えば、如何考えても航空なんてものは寿命を削る。素人でも解る事だし、実際くられ先生からひとらんらんもそう聴いている。
だと言うのにAは、少なくとも『空』と言う一点において、自分の身体を鑑みた事は無い。
こんな処まで、本人よりもひとらんらんの方が気にして居ると言うのは、最早笑い話と称するべき事なのかもしれない。
「私？」
その言葉の消えた先を正確に読み取ったAは、率直な言葉で、端的に訊いた。
ひとらんらんが黙って頷くと、「そんなら問題ないよ？」と、Aは微苦笑を漏らす。
「ドクターの言う通りちゃんと注射も打ってるし、御蔭で症状も減った」
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
