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マリちゃんの家は、この小さな街のど真ん中にあった
大きなその家は、相変わらずよく目立っていて、手をかざして見るほど遠くまで続いていた
草木が生い茂る庭の手前にあるインターホンを鳴らす
いつもはお手伝いさんの声が聞こえるはずが、今日は運良くマリちゃんが私のチャイムに答えた
「花束、持って来たんだけど」
『ありがとう〜！ 開けるね！』
インターホン越しから聞いても分かるくらい、マリちゃんは今日も元気だった
きっと今日は、ホームパーティーか何かなのだろう
大きな門が開くと、玄関からマリちゃんが飛び出してきてとびっきりの笑顔を向ける
「久しぶり、相変わらず元気だね」
「今日はママの誕生日なんだ！」
「ぁ、そーなの。おめでとう」
彼の手に何かしらの粉が付いているところを見ると、お母さんのために何かを作ってあげているらしい
いい子供だ
絵に描いたような、理想の息子
私はマリちゃんみたいにはなれないと思った
「じゃあね」
代金をもらうと、早めにその家から退散した
そうか、健人くんが言っていた "愛" って、きっとこういうものだったんだ
誰かのために何かしてあげるとか
自分の利益にならないようなことも、率先してやってあげるとか
そしたら健人くんもきっと、あの店に "愛" があるんだ
そして私には、それがないんだ
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
