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「もぉ、どこ行ってたの」
汗でもかいたのか、お風呂から上がって上半身裸のまま腰にバスタオルをかけて頭を拭きながら登場した健人くん
「ちょ…っ！！ 上！ 着てってば！！」
なんだかふわふわしていた気持ちが、彼の上半身を見たことで一気に我に返ったような気分になった
風磨くんはあのまま、じゃあなといつものように曖昧な挨拶をして帰っていった
引き止めたい、と思った
何を伝えたかったのか、はっきりはしないけれど
もっと、いや、もう少しだけでいいから一緒に居たかった
「あいつと一緒に居たのか」
「……うん」
「俺ね、おばさん達が亡くなった時、Aを1人にしたくないって思った」
私の話は耳に届いていないのか、裸のまま濡れた髪を拭いて彼は続ける
「Aを守ってきたこの店を続けてやりたいって、そばに居たいってそう思ったんだ」
あの店が、私を守っていた
そんな話、初めて聞いた気がする
「この店は、Aがお腹に居るって分かった時に始まったんだよ」
柔らかな笑顔を浮かべながら、健人くんは以前両親から聞いたのだという話をしてくれた
私に何かを残してやりたいと、両親は昔から好きだった花を集めることにした
その豊かな香りと、鮮やかな色でいっぱいにして新しい命を迎えたかったのだと言う
2人にとって花は、私を守るものだった
だから、花を愛していた
「Aを囲むものを愛して、Aを守ってくれるものを愛して…そうやって2人は、Aを愛していたんだよ」
この店は、私のためにあった
そうやって、陰ながら私を愛してくれた人たちの力で
「俺も、Aを愛すためにこの店を守りたかった。
だから俺はAと関わってくれる勝利や瞳ちゃんのことまで愛したいんだ」
それが、"愛する" ということ
ひとつの対象だけではなくて、その周りのものまで愛すること
なんだか説得力のない格好で、彼は笑った
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
