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それから何組かのお客さんの対応をさせてもらって、健人くんはそんな私を優しく見守るだけで何も言ってはこなかった
一息ついて水換えでもしようかと思っていた時、彼はやって来た
いつだって突然、彼はやって来る
「お花屋さん、これください」
私の左手を取って自分の手のひらに乗せると、風磨くんは悪戯な笑顔を見せた
「これは売り物じゃありません」
「あれ、おかしいな」
私の手を離さずに照れ臭そうに頭を掻くと、風磨くんは辺りをキョロキョロと見た
「今お客さん居ない？」
「あなたもお客さんでしょ」
「俺はAちゃんだけのお客さんだから」
ふふ、と声を漏らすと彼は奥に居た健人くんに向かって「Aちゃん借りてもいいですか」と低い声で言った
「ダメだ」
健人くんは花瓶を持って戻ってくると、真剣な目付きで風磨くんにそう言った
「えぇ、困るなぁ」
「お前はまったく……ぁ、いらっしゃいませ」
健人くんの話が終わる前にお客さんがやって来て、健人くんは駆けていく
「……あ」
風磨くんはその人の顔を見ると、私の腕を引っ張って棚の陰に身を隠した
突然そんな狭い場所に押し込められ途方に暮れる
ジメジメとしてきた外の空気を棚が遮断して、床のひんやりとした冷たさが伝わる
すぐ近くにある風磨くんの横顔
また私は、気がついたらそれを眺めていた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
