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不思議なパーティーはそれから何時間か続いた
お店に戻ってしまった健人くんを抜いた私たちは、他愛のない話で盛り上がった
時計の針が7時を指した頃、お母さんが待っているからとマリちゃんは重たい腰を上げた
マリちゃんには、帰りを待っている人が居る
そんな人はきっと、私にも居るんだ
健人くんという "家族" が
「じゃあ私たちも帰りますか」
「瞳、駅まで送ってくよ」
「いいよ聡居るし。それより風磨くんのこと送ってあげたら」
瞳は誰にも気づかれないように私にウインクすると、風磨くんに「Aをお願いします」と頭を下げた
別れの挨拶をして次々に部屋から出て行ってしまうみんなに、私と風磨くんは2人きりで静かになった部屋の中に取り残された
「俺、1人で帰れるから。Aちゃんの方が危ないし」
「ううん、送らせて」
「いやでも…」
「じゃあそこの交差点まで。ね？」
ようやく、うんと小さく頷いた風磨くんに続いて部屋を出る
お店でお客さんと話していた健人くんにジェスチャーで使えると、彼はグッと親指を立てた
ポケットに手を突っ込んだ風磨くんと、ゆっくりと夜の道を歩く
だいぶ日が長くなってきたくせに、この日の夜道はいつもより静かだった
「見つけられそう？ 花屋の魅力」
「…どうかな。まだ分かんない」
両親の想いを、健人くんの想いを知ることなんてこの先ないと思っていたし、知るつもりもなかった
けれど、風磨くんを見ていたら知るのも悪くないと思えて
私は記憶を逆再生することにした
頭の隅に追いやった過去の記憶を、今ここで健人くんとみんなと思い出したい
「その魅力が分かるまでさ…
……風磨くん、隣に居てくれる？」
自分でも、なんでそんなことを言ってしまったのか分からない
けどなんとなく、答えが分かった時、風磨くんに最初に話したいと思った
一緒に答えを見つけてほしいと思った
そして隣で笑って、頷いてほしいと思った
「それまでと言わず、ずっと隣に居させてくれよ」
スーッと優しい風が吹いて、彼の髪を揺らした
私は顔を上げて、その柔らかな笑顔を眺めた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
