32 ページ32
.
ジュースをお代わりするために腰を上げて台所へと向かう
冷蔵庫を開けたところで、勝利が「俺も」とコップを差し出してきた
「風磨くん、いい人だね」
リビングで聡やマリちゃんとすっかり打ち解けた様子の風磨くんを見ながら勝利が呟く
「うん」
「Aさっきから、あの人ばっか見てる」
「…ぇ、」
ふふ、と小さく笑った勝利は私の目を覗き込む
「どうしてその目に、俺は映らないんだろう」
勝利もきっと、気にしていなかったわけではないんだ
この前のこと
「映って…る、ずっと、勝利のこと」
映りすぎて、勝利しか居なくて
あの日だってそう、1人ぼっちになった私と両親が眠る病院へと一緒に行ってくれたのは勝利だった
涙なんて出ない私の隣で必死に涙を堪えるその姿は、もう大学生だと言うのに幼い子供みたいだった
血の繋がった子供の私より、幼馴染の勝利の方が
従兄弟の健人くんの方が
突然の別れを、ちゃんと哀しんであげていた
「勝利は私にとって、空気みたいなもんになっちゃったのかな」
勝利のその愛を
不器用だけど大きな愛を
私なんかのために使ってくれて、本当にありがとう
「私なんか、とか言うなよ」
「……」
「お前のこと好きな俺のことまで否定されてる気分になるから」
勝利は笑って私の頭を撫でると、みんなの元へ戻っていった
彼はきっと、これからも変わらず隣に居てくれるのだろう
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
