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顔を洗って、少しだけ薄めにメイクをして店に戻ると健人くんはもう常連客のおばさんと立ち話を始めていた
その横顔があまりにも美しくて、思わず携帯を取り出して1枚撮った
あとで、瞳に送ってあげよう
そんなことを思いながら、花瓶に手を伸ばし水を変えていく
花の入ったバケツひとつひとつの水を変えていくのは、なかなかに大変である
「この花も綺麗ねぇ」
「和恵さんの方が綺麗ですけどね」
「あらやだぁ〜」
健人くんの甘い言葉を少し重めな朝のサウンドに、丁寧に花を取り出しては水を変えていく
「ありがとうございました」
今日も、花を買いに来たのか健人くんに癒されに来たのか分からない女性客が朝から入れ違いにやって来た
その度に彼の口からは、甘い蜜のような言葉が漏れて
それはまるで、棘のない薔薇のようだった
「いらっしゃいませ」
何人かの常連客を見送った後、店内にまた健人くんの声がこだまする
「なにかお探しですか？」
「……そいつ、欲しいんだけど」
突然聞こえた、聞いたことのある声に驚いて振り返る
昨日よりもラフな格好をして、ポケットに手を突っ込んでいる風磨くん
そしてその隣には、驚いた顔で私と風磨くんを交互に見ている健人くん
しばらくの間、店の中は沈黙に包まれて
ただ呆然とお互いを見つめる時間が流れた
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
