16 ページ16
.
風磨くんの手には、なぜかじゃがいも
「昨日、汚れちゃってそのまま置いてきてたでしょ」
転んだ弾みで土で汚れてしまったじゃがいもは、新品になって返ってきた
きっとまだ昨日のじゃがいもはあの場所にあるか、野良猫の餌にでもなってしまったのだろう
「…お兄さん？」
風磨くんは健人くんの方に目をやると、私にそう聞いてきた
「…みたいな、感じ」
「保護者です」
間髪入れずに健人くんが横入りしてくる
少し怖い顔をして風磨くんを見ると、彼が手に持っていたじゃがいもを取りあげる
「うちのAに、なにか御用ですか。
てか、あんた誰」
「菊池風磨です、はじめまして」
明らかに風磨くんを敵対視している健人くんに深々とお辞儀をすると、風磨くんは顔を上げてじっと健人くんを見た
「ちょっと似てるね」
横目で私を見て、そう言って微笑む
従兄弟だから似てないこともないのだろうけれど、私と健人くんは全く似ていないと思う
だから彼の見解は、私にはよく分からなかった
「昨日怪我した時にね、助けてくれたの」
健人くんに向かってそう言うと、彼はまだ風磨くんのことを信じていないようでふ〜んと彼を下から上まで撫で回すように見た
「それはどーも。保護者としてお礼申し上げます」
胸に手を添えて、なんだか舞踏会の王子様みたいなお辞儀をする健人くん
「ぁ、あのね！ 私が呼んだの、ねっ！」
「ぅ、うん…」
「上がって上がって、ほら健人くん、昨日の余りのパンケーキあったよね…！」
その場の雰囲気を取り持とうと、私は明るく振る舞って風磨くんの背中を押すと階段を上らせた
「おいこら！ A！」
「ごめん、水替え後で必ずやるから〜」
ちょうどそのタイミングでお客さんが入ってきたので、私たちは健人くんの目を盗んで部屋に入った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
