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青い空に、まっすぐと向かうように咲く花たち
その空を分けるように引かれていく飛行機雲
ただ、そんな朝の風景を眺めて呆然と立ち尽くす私
この世界からたった1人だけ、置き去りにされているような、そんな気分にさえなる
「おはようA」
エプロンを着けて、朝から爽やかな笑顔を向ける従兄弟の健人くんが笑う
手に持っている薔薇の花束は、まるで彼のために生まれてきたみたいだった
両親が作ったこの花屋を、健人くんが担う
ようになってから1年
この店の名物と化した彼の人気にあやかって、この店の売り上げも上昇気流に乗るようである
彼には、感謝でいっぱいだ
こんな、花なんて売れない時代に突然現れた王子様は、私の救世主だった
この街の片隅で小さく営むこの店を、神様はちゃんと見ていてくれたのかもしれない
「学校、いいの？ 遅れるよ」
彼が現れてもなお、ボーッとしていた私に優しい声で囁く
「あー…行かなきゃ」
「今日は帰り、早いの？」
「3限まで、かな」
じゃあスイーツでも作って待っててあげるね、と彼は笑った
彼は私のお父さん代わり
そして同時に、お母さん代わり
「行ってきます」
鞄を取りに一旦自分の部屋に戻り仏壇に手を合わせると、私は自転車にまたがった
両親に、私は「行ってきます」なんて言ったことはあっただろうか
私は、この店を少しでも守れているのだろうか
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えつ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです＾＾続編もよろしくお願いします！ (2019年4月24日 23時) (
レス) id: 94efd89660 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - はじめまして。この作品すごく好きです！一気に読んでしまいました。移行後の続きを楽しみに待ってます。 (2019年4月24日 17時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えつ | 作成日時：2019年4月6日 22時
