見えない愛 (ページ42)

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裕said
今日病院に行ったらお医者さんに声をかけられた。
医｢明日、抗がん剤の最後の投与なんですけど、

来週、腫瘍の状態を調べて

取り除けるようになっていたら

手術をしたいと考えています。

手術後も抗がん剤治療は少しありますが、

成功すれば退院できると思います。｣

裕｢ほんまですか？｣

医｢ただ…再発のリスクは非常に高いです。

それと、免疫が低下しているので

しばらくは自宅にいてもらう必要があります。｣

裕｢仕事は？できるんですか？

目が見えなくてもラジオとかあるやないですか。｣

医｢そればかりはなんとも言えませんが…

必ず誰かサポートに当たれる方が

そばにいる状況でお願いします。

いつ何が起きてもおかしくありません。｣

裕｢そう…ですか｣

医｢実は、

大倉さんから退院したらライブがしたい。

と言われていたので、僕なりに考えてみたんです。

ライブについてあまり詳しくはないですが、

大きな音で、たくさんの人がいるので

ずっとってことはやっぱ無理だと思うんです。

だけど、例えば1曲とMCくらいなら

出ても大丈夫だと思います。

事務所の皆さんとも話してみてください。

僕は…できるだけ本人の意見を尊重したいです。｣

裕｢ありがとうございます。

今日聞いてみます。まだ大倉には？｣

医｢手術の話はしようと思いますが、

一緒に説明を聞いてあげてください。

今までの患者さんたちを見てると

やはり手術は不安になることが多いので

そばにいてあげて心のケアをしてあげてください。｣

裕｢明日、みんな来る予定なので

そん時話たってください。｣

医｢了解です。｣

裕｢大倉のことを考えてくれて

ほんまにありがとうございます。｣

少し涙がでた。
大倉…いい先生に診てもらってるな。
心からのありがとうございますだった。
明日…大倉はどんな顔をするんやろか。
不安な顔、喜んだ顔か…

大倉…みんな大倉の仲間や。
そばにいるからな。
お前は1人やない。