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慎太郎side
ふいに背中に誰かの体温を感じて俺は慌てて涙を拭った。
振り向いた先にいたきょもは優しくて温かかった。
その優しい言葉に拭ったはずの涙が再び溢れてきた。
俺は昔に戻ったみたいにめいっぱい泣いた。
きょもは俺の背中をさすりながらずっと隣にいてくれた。
そんなきょもになら本音を話してもいい気がした。
慎「北斗はさ優しいから
俺の事怒ってないし恨んてもないんだよね？」
大「怒ってないしむしろ謝ってたよ。」
慎「だけどさ俺を助けた時に
もう歩けなくなるなんて思わなかったでしょ。
もし自分が歩けなくなることが分かってても
きっと北斗は俺のこと助けてくれただろうけどさ
俺のせいで北斗が一生ハンデを背負って
生きていくことには違いないじゃん。」
こんなこと言ったってなんの解決にもならないし
きょもを困らせるだけだって分かってる。
だけどきょもなら受け止めてくれそうな気がした。
大「…1回その気持ちを
そのまま北斗に伝えてみたらどうかな？
北斗がどう思ってるかは北斗にしか分からないし
俺は今回のことが慎太郎の心の傷になって欲しくない。
これから待ってるのはきっとものすごく大変な未来だから
それに立ち向かうためにはみんなで同じ方向を向いて
引っ張りあっていくしかないと思うんだ。
だからしっかり蟠りはなくそうよ。」
たしかに俺は北斗の気持ちを勝手に考えてたばかりで
本人の口から聞いてはいなかった。
俺が思っていることを話したら
北斗も本音を言ってくれるかもしれない。
そう思うと少し心が軽くなった。
慎「俺1回北斗と2人で話してみる。」
大「うん。いいと思うよ。じゃあ戻ろっか。」
いつの間にか俺の方が大きくなっていたけど
今日は昔みたいにきょもがものすごく大きく感じた。
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作者名：ひとみ | 作成日時：2023年4月20日 23時
