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大我side
慎太郎が病室を出てからもう1時間以上経つ。
LINEを送ってみても電話をかけてみても
慎太郎から何か返ってくることはなかった。
北「…こうなったの多分俺のせいだよね。ごめんね。
俺が勝手にやったことだから
本当に慎太郎は何も悪くないのに
俺がこんなんになって責任感じちゃってるんだよね。」
優「北斗が謝る必要はないよ。
慎太郎も北斗も誰も悪くない。みんな優しすぎるの。」
樹「さすがに慎太郎探しに行ったほうがいいよな。」
ジ「でもみんなで行っちゃうとさ…」
北「あっ俺のことは全然気にしないで。
ちょうど1人で整理する時間欲しいなって思ってたから。
だからみんなで慎太郎を探しに行ってあげて。
ごめんね。俺行けなくて…」
ジ「だから！なんでほくちゃんが謝るの？
でもありがとう。慎太郎すぐ見つけてくるから。」
北「うん。お願い。」
そうと決まると俺らは手分けして病院内を探し回った。
慎太郎ならどこに行くか…そう考えた時
きっとアイツは
外の空気が吸える場所に行くだろうと思った。
だからまず中庭に行くことにした。
中庭に行くとたくさんの人がいて
ゆっくりとした時間が流れていたけど
いくら探してもそこに慎太郎の姿はなかった。
この辺の土地勘もそんなにないだろうから
多分敷地内から出てはいない。
あと外の空気が吸える場所…
ふと上を見上げると屋上のフェンスが目に入った。
ーー屋上にいる。直感でそう思った。
俺は急いで屋上へ向かった。
屋上へ続くドアを開けると
中庭とは打って変わって人気がなくて
物静かな空間が広がっていた。
でもきっとここに慎太郎はいる。
そう思って外に出ると
端っこのベンチに人影があった。
あれは…間違いなく慎太郎だ。
俺に背を向ける形で座っている慎太郎は
俺の事に気づいていない。
近づいてみると鼻をすする音がした。
やっぱり泣いてたんだ。
俺はそっと後ろから慎太郎を抱きしめた。
すると慎太郎は驚いたようにこちらを振り向いて
慌てて涙を拭う。
大「慎太郎大丈夫だよ。思っきり泣いて。
泣くことは恥ずかしいことじゃないよ。
でももしそれが自分を責めて流している涙なら
俺は見たくないよ。」
慎太郎の背中をポンポンしながら
できるだけ優しく話しかけた。
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作者名：ひとみ | 作成日時：2023年4月20日 23時
