ひとめぼれ

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神山くんを好きなことバレバレなんか、
桐山さんにほくそ笑まれた。


濱ちゃんが飲み物といくつか、料理を持って来てくれた。


「買い出ししてへんから、あり合わせやけど」


「濱ちゃんありがとうな！
素朴やけど、美味いねん！これが！」


「しげちゃん、素朴は余分やろ」


苦笑してる、濱ちゃん。


「初めまして。
神山智洋と言います。
あ、職業はヘアメイクアーティストです」


神山くんがお辞儀してる。


「初めまして。
店主の濱田崇裕です。
しげちゃんとは長い付き合いで」


濱ちゃん、神山くんに言うた後さ。


「しげちゃん、こんな可愛ええ子連れて来て。
もしや恋人？羨ましいなあ」


耳打ちしてくるねんけど、
しっかり神山くんに聞こえる声量。


さすがの客商売。

もしくは、単なる、あほか？


「恋人て紹介出来たらさいっこうなんやけどな。
なかなか振り向いてくれへんねん」


神山くんの眉毛が下がって、困り顔になる。


困らせたいわけやないけど、
この顔も好きやねんなあ。


「しげちゃんはおすすめやで。
人気俳優やのに奢ってへんし、
ちょっと繊細ではあるけど、
真っ直ぐでキラキラした眩しい子や」


濱ちゃんて、ほんま、人類一、ええヤツ！


そんでもってさ、

ソファ席の方から。


「しげは恋愛には奥手やからな。
真面目でええと思うで」


桐山さんの更なる、援護射撃が。


俺、ガンガン行ってたから、
神山くんにチャラい思われとったらって不安やってん！


そやけど。


「それは、うん、分かります」


神山くん、うなづいて、笑ってんで？


なんちゅう、小悪魔や。


神山くん、こう見えて、
実は恋愛経験、豊富やったりする？


こないに可愛ええねんもん、モテたよな。


藤井さんにピュアな片想いしてやるから、
そんなに慣れてないんかなって、

勝手に思い込んでたけど・・・


聞くの怖いから、恋愛話はなしでいこっと。


ほっとなるような、
美味しいご飯食べながら、

いろんな話をする。


濱ちゃんも二階上がってったしさ、

神山くんと二人きりみたいなもん。


基本、仕事の話が多いねんけど。

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