ひとめぼれ

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おもんない言われたら怖いなあ。


感性合わんかったら・・・


不安。


神山くんとは、


性格や外見、
細かいことは全て違っても、


芯の部分で、共鳴してる。


理屈やなくて、惹かれた理由は、

そのせいやって、俺は信じてる。


神山くん、無言やねん。


もうほんまずっと。


３０分強、延々と読み続けて、


「あの、重岡さん、
これ持って帰っていい？」


聞いてくれて。

もう嬉しいなんてもんちゃうかった。


「あっ、ごめんなさい。
これ大事なもんですよね。
桐山先生の添削も入ってるし」


「えぐいほど添削されとるからカッコ悪いけど。
ええよ。先に神山くん、読んで。
俺、明日明後日と遠方でロケやし、
どっちにしてもやり直す暇ないわ」


「オリジナル、読みたかったから嬉しい！
２７の打ち上げの時に持って行きます。
それで大丈夫ですか？」


「ええよ」


「やった！」


にこにこして、可愛ええ。


ふくれっつら、泣き顔、澄まし顔、

どれも綺麗やけど、


一番は、やっば、笑窪の出来る、この笑顔。









帰りの車の中。

次の約束どう取り付けるかばっか、考えとる。

その前に、何としても、

連絡先、教えてもらうのが、
今日の目標や。


２７日の打ち上げで会えるけど、
それ以降は、約束せんと、会われへんなってまうやん。


焦ってるだけで空回りし倒しとるうちに、
神山くんのマンションに着いてしもた。



「重岡さん、今日はご馳走様でした」


「ごめんな？店、突然変わったり」


「ああいう高級なお店は緊張するし。
かえって楽しかったです」


話、繋げんと。


神山くん、もう今にも車から降りてまいそう。


「せや、書き直した完全版も、
今度、神山くんにあげるな？」


「ええんですか？」


「当たり前やん。
主要登場人物のモデルさんやねんし」


「俺、あんな可愛いありません」


「俺ん中では、
あれでも抑え目に書いたつもりやで。
神山くんの魅力はあんなもんちゃうもん」


「やめて下さい。
ほんまに恥ずかしいから」


真っ白な頬がほんのりピンク色に染まってる。


「照れるとこも可愛ええなあ」

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