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「失った命は戻らなくとも、これ以上の災厄は我の力で浄化してやろう」

「え……」

どうやって――?
そう聞こうとした私に、また温かな唇が触れた。

「A……いや、『羅刹』」

呟いた声は、威厳に満ちたもの。

「はい」

反射的に応えていた。

「もう一度、我の名前を呼べ」

「大鵬の名前を……?」

「そうだ。我の真名だ。先ほど教えたであろう? 力の制御を願いながら呼ぶがよい」

神様の顔で、大鵬が言う。

「……わかった」

私は頷いた。

「私、これ以上誰も傷つけたくない。……私がどうしたらいいのか、教えてください。――鳳」


『いいだろう。だが、これからの将来(さき)を見つけるのは、A自身の務となる』

直接、頭のなかに大鵬の声が響いた。

『もう一つ、我の大切な花嫁。――Aに未来を見せてやろう』

声と同時に今日何度目かの口づけが交わされた。
その優しい温もりに目を閉じた。

――途端。
私の体がほんのり暖かくなって。
急速な眠気に誘われた。
抗いがたいその心地よさに。……私は意識を手放した。

二二章『未来(あす)へ』→←▼



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設定タグ:和風ファンタジー , 妖怪 , 羅刹   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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一花(プロフ) - 零玲飛(れいれと)さん» コメント有り難うございます。そう仰っていただけ、非常に嬉しいです。ここまで目を通してくださったことに感謝します!! 本当にありがとうございます。 (2015年1月28日 21時) (レス) id: c6c51ef31b (このIDを非表示/違反報告)
零玲飛(れいれと)(プロフ) - 感動して泣くかと思った。お疲れ様です。 (2015年1月22日 20時) (レス) id: 0bd3908221 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 光珂さん» ありがとうございます。……誤字量の多さが(-_-;) しっかり読んでくださり感謝します。また、後日直します。そして、番外編の件……有り難うございます! おそらくひと月以上開けて、とか忘れたころになるかと思いますが、宜しければ、お願いいたします(多謝) (2015年1月15日 22時) (レス) id: c6c51ef31b (このIDを非表示/違反報告)
光珂(プロフ) - (続きです) 43話目の下から9行目 「まずはこのの人の」→「まずはこの人の」 だと思います! 一応番外編までは確認しようと考えておりますが、もし本編のみで良ければ返信くださると助かります。あ、遠慮はなさらないでくださいね。 (2015年1月4日 2時) (レス) id: 21af548d66 (このIDを非表示/違反報告)
光珂(プロフ) - 深夜にすみません。 37話目の下から16行目 「それだだけ」→「それだけ」。 40話目の13行目 「私をの力を」→「私の力を」。 同じく下から8行目 「温かな光のなで」→「温かな光の中で」。 41話目の9行目 「大鵬のい気配」→「大鵬の(いる)気配」。 (続きます) (2015年1月4日 2時) (レス) id: 21af548d66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一花 | 作成日時:2014年8月31日 10時

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