偽り笑って 5【3年A組】

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「久しぶり」





そんな声が教室後方から聞こえた。





「久しぶ…」


「「「え〜！？」」」





宇佐美が口にした"久しぶり"という言葉も、
あまりの衝撃に出かけて消える。

誰もが驚きの声をあげた事だろう。




元A組、一同の目に入ったのは……須永の腕に魚住が腕を絡ませているという光景。





「お前ら付き合ってんの？」


「11回…告られて……」


「12回ね」





そして語られた告白現場は、
何とも壮絶だった。

言葉だけでもわかるほどに。





「まぁ、愛すより愛される方が幸せになれると思って」


「それ女子が言うセリフだからね」


「愛します！」


「愛されます」





2人は、何だかんだ幸せそうだった。

何とも意外すぎるカップルだが、
こういうサプライズがあった方が再会は面白い。





「よっ、みんな久しぶり」


「何だ！？お前！こりゃ…」





次に入ってきたのは、里見と金沢。
金沢のお腹は膨らんでる。





「えっ？学生結婚？」


「ちょっと待って、何で玲央と？」


「何でって…沙良と付き合って凛と付き合って最終的には相性が良かったって言うか。」


「何の相性だよ！」


「うちは兄弟多いんで出来れば沢山欲しいなって」


「座ろっか」





サプライズ再び。

再開では、やはりサプライズは尽きないものだ。
そして、どれも楽しい。





「もう皆来てたんだ。
久しぶりー」





熊沢と真壁が入ってきた。





「お前ら、付き合ってんじゃねぇだろうなぁ？」


「まさか」


「毎日一緒には居るけどね」





毎日、という言葉に誰もが驚いた。
もしや、と思った者も多かっただろう。





「花恋の専属トレーナーだから」


「知ってる！
オリンピック候補に入ったんでしょ？」


「強化合宿に呼ばれただけだよ、
代表は厳しいかな」





オリンピックの候補に入れるだけでもすごい、
そこは誇っていい。





「それでもすげえよ！
俺なんて大学の練習についてくだけで精一杯なんだから」





とはいいつつ、
瀬尾も元気そうだった。





「おい 皆、見ろ！」





教室の前では、柳本と不破が腕立てをしていた。





「あぁ〜！！」


「よっしゃぁ！腕立て王者奪還！」


「3年A組に一言お願いします！」


「感無量です！」





こちらも、相変わらずである。

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