TEL 一本の電話 ページ41
固定電話が鳴る。
それも警察が来たのと同時に。
嫌な緊張感が走る中、タリアータは飛びつくように電話や受話器を取る。
警察も話を聴き逃すまいと裕太とともに電話の近くに寄り、電話のスピーカー機能ボタンを押す。
“「もしもし？Aサクラノミヤのお宅ですか？」”
「…どなたでしょう……っ」
“「あれ？意外と鈍感さん？それとも確認か？」”
「っ〜……！！」
“「御宅のAちゃんを誘拐しました。返して欲しければ一億リラ…用意しろ」”
「なっ！そんな大金！！」
“「娘の命が惜しくないのか？用意できなかったらこの子は死ぬ。一億リラとAちゃん。どっちを取るかはあんたら夫婦次第だ。では さようなら」”
「！待って！AちゃんのAちゃんの声を聞かせて！」
“「あぁ！それもそうだ！無事かどうか確認しなきゃな…………(おい！声を聞かせて欲しいってよ！」”
男の声が少し遠く。
タリアータはAが暴力を受けていないか泣いていないか、不安で心がいっぱいだった。
裕太は手を強く握っているせいか、娘一人家から誘拐されたことに気づかなかった不甲斐なさを呪うかのように、目に爪を食い込ませ血を流す。
“「もしもし？」”
「！Aちゃんは ！？ 」
“「いますよ。ほらAちゃん！マードレたちに挨拶しようね」”
緊張が走る中。警官やタリアータに裕太はAの声を待つ。
受話器の向こうから小さく息を吸う音がした。
“「マードレ、お父さん…私は大丈夫よ…………」”
「Aちゃん！絶対助けるわ」
“「マードレには内緒にしてたけど、私一回だけ男のお店の人の家におにぎりを作りに行ったことがあるの」”
「？どうして今そんなことを言うの？」
“「『黒いお粥』…。身長が高くて、ハハッ、上着を肌着のように着てるの」”
「クロイオカユ？何を言っているの？何を伝えたいの？」
“「マードレとよく行くスーパーに居るの。頼ったらヤな顔せずに手伝ってくれた。優しい人なの」”
「Aちゃん？本当に何が…“「おっとここまでだ！」っ！！」
“「じゃあ見た電話をかけるよ。警察は呼ぶな？呼んだらAちゃんの命がががが！」”
「あっはははは ！」と高笑いをして電話を切る
隣で話を聞いていた警官はAのことを知らない。どから、彼女は最後の別れでも言ったのではないかと焦っていた。
一方タリアータは 先ほど焦っていたのが嘘かのように冷静だった…
タリアータは知っていた。
Aが意味のない行動を取る子供ではないことを…
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さくらんぼ＆チェリー - こっ、更新っ。更新ばぁぁぁ。 楽しみなんや。ずっと楽しみなんや。お願いします。 (2019年9月7日 10時) (
レス) id: ced51d468f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー - かなとさん» 言い方‥‥。優しく言えないの？ (2019年8月27日 21時) (レス) id: ced51d468f (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - パンバーガーさん» コメントありがとうございます！主人公くんは一生懸命女の子をやっているため女の子らしい仕草が自然と身に付きつつあり、結構不便だと思いながら、子供を満喫している節があるようですよ。オノマトペは前世から結構使ってます。これからも頑張っていきまーす！！ (2019年8月7日 18時) (レス) id: a2c150c1db (このIDを非表示/違反報告)
パンバーガー - おっさんのくせにめっちゃ可愛いです← 無理せず頑張ってくださいね！ (2019年8月7日 10時) (レス) id: 46b12ccc15 (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - かなとさん» ご忠告ありがとうございます。多分外せたと思うので、また何かあればご忠告お願いします。……こんな不甲斐ない産毛が生えたような作者で申し訳ないです。 (2019年7月20日 9時) (レス) id: 62d4d7cd57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：管理人 | 作成日時：2019年7月19日 20時
