サーブだけは ページ12
犬岡さんに上がったボールは、すぐに体制を立て直した武虎さんに上げられる。
そして、武虎さんのスパイクが、とっても美しく決まった。
「やっぱ、やりずれーな。」
とクロが叫ぶ。
初めのブロックの時「絶対あれは勝った」とでも思ったのだろう。
「Aのさっきのカバー凄いな!!どうやったらあんなの出来るんだ!?」
「え…っと…クロの…あ…。この試合終わったらね。
クロ、聞き耳立ててる。」
と、コソコソとイヌさんに話しかけてクロを指差す。
「それよりも、イヌさんも凄かったですよ。打ったばかりのトラさんが立て直したのを瞬時に把握するとか。
あと、トラさんもすぐ立て直せちゃうの凄いです。」
そう言って、「そんなこと私はできないな」と頭を掻いた。
コロコロ…とボールが私の方へ飛んでくる。
「あ…サーブ誰打ちます?」
と、私は2人に聞く。
じぃっと、私のことを2人は見た。
「え…。」
うん。と頷く2人。
や、やめやめてくれ…サーブだけは…と私は心の中で祈る。
「サーブ…リベロなんで無理っす。苦手ですし…」
「まあまあ!やってみなきゃわからないし、3対3だから!」
と、イヌさんにボールをぐっと押し込まれる。
そして、トラさんは親指をぐっと立てていた。
「し、知りませんからね!!」
私はボールを抱えたまま、コートの外に出る。
や、やばいな…。
ネットの高さを見てさらに焦りを感じる。
こんなこと言うのもあれだが、サイドしか打てない私にとって周りが上で打ってるのはただのプレッシャーでしかない。
「う、上の方がいいんですか!?」
「勿論!」
一瞬にして、天然イヌさんを恨んだ。
私ははぁ…とため息をついてボールを上げ、今出せる力を全力で出してボールを打った。
「ぶぎゃははははははは!!!」
案の定、世界中に響いたのではと思わせるほど大きな声でクロが笑う。
あげたボールは上手く右手には当たったものの、ばしーんともふわっともいかず、へにゃっと地面に落ちた。
自陣の方に。
「なんか、ほんとごめん。」
とイヌさんが私に謝る。
私は両手を顔の前で振り、大丈夫とイヌさんに伝える。
「次、取ればいいんだし、大丈夫ですよ!」
そう言って、私は相手コートにボールを転がす。
どうやら、次は研磨がサーブをするようだった。
「いけ、研磨ー」
と、クロは声を出した。
ぽんっと、研磨がボールを上げた。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…!!それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…!!応援、ありがとうございます、更新頑張ります!! (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…!!そしてな、なんと!!??そんな…嬉しすぎます…!!頑張ります!!本当にありがとうございます!!嬉しすぎて…(´;ω;`) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します!初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです!応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hitoesasami | 作成日時:2020年3月26日 3時