検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:37,034 hit

自由 ページ13

私は元々、尾赫3本の喰種だった。
それしか赫子がなかった。
この日、までは。

私が喰種に連れられて来たのは研究所だった。
かのう、と呼ばれる医者の元へ連れられ、その人の言うままにベッドに寝た。
そして、何が始まるのかわからないまま私はその場に放置された。
放置され、放置され続け、空腹にさせられた頃。
かのうは戻って来て、私に麻酔をかけた。


気がついた頃には、私は知らない人の赫子を持っていた。
私はその日から6本の尾赫を持つ喰種となってしまった。赫者でもないのに。
それからというものの、嘉納の元にいる喰種と新たに付け加えられた尾赫のコントロールをマスターするためにほぼ拷問のような訓練をさせられた。

いや、あれはきっと拷問だった。
上手く行かなければお仕置きとして、痛めつけられ、上手く行っても褒められることはなく、使いこなせるようになる頃にはただの同胞殺しとなっていた。

そして、同時に同胞を殺し続けたという理由で嘉納に見捨てられ、アオギリに送られ、そこでもさらにただただ働かせられた。
正直、何のために生きているかわからなかった。

そんなある日。


「ちゃんA、今日から自由に生きていいよ。」


そう、梟から直接言われた。
私は真っ先に、アオギリを抜けてあんていくへ向かった。
久しぶりに私は日の光にあたった。
季節が何回回ったのかわからないが、あの寒く辛い冬はとても心地がいい春に変わっていた。
しかし、私は道中、空腹で倒れてしまった。
興奮しすぎて空腹に気がつかなかったのだ。
それほど、彼らに会うことが嬉しかった。
そして、謝りたかったのだ。

それなのに私は力なく、意識を手放してしまった。



「大丈……?」


と、遠くから声がする。
どうやら、気がついてはいなかったが目がうっすら開いていたようだった。
少しずつ、焦点が合う。
そして、ここが何処だか少しずつ理解できた。


「…此処は…此処は…!!」


ガバッと、布団を上げて体を起こした。
思わず寝ていたベッドから降りて、立ち上がろうとしてしまった。
しかし、フラフラっと力なく地面に倒れ込んでしまう。


「ううっ…うう…」

「だ、大丈夫!?と、とりあえずトーカちゃんよんでくるから!!」

「すみません…。」


と地面に力なく倒れ続けていると、足音に合わせて床が激しく揺れた。
この数は彼とトーカだけではなかった。
明らかに多かった。
だんだんと、足音が私のいる部屋に近づく。

そして、扉が雑に開けられた。

あんていく(ご指摘、ありがとうございました。修正致しました)→←繰り返しのそのまた繰り返し



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (96 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
127人がお気に入り
設定タグ:文スト , 転生 , 東京喰種
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

hitoesasami(プロフ) - 珈世さん» >>また、他にも評価が高い作品が多い中で、この作品を読んで頂きありがとうございました。 少しでも楽しませられたら幸いです。 本当にありがとうございました (2020年2月20日 7時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 珈世さん» ご指摘、ありがとうございました。本当に助かります…orzすぐ、誤字や誤った設定をしてしまう癖があり、誤字などがある作品の印象って悪くなると思うんです…。なので、珈世さんのような方がいらっしゃると本当に助かりますorz >> (2020年2月20日 7時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - Nightさん» >>また、文ストと混ると言うことは、文ストは好きだけどグロは苦手、と言う人も読めるような、マイナスな印象を与えず書けていたみたいで良かったです。 最後になりますが、他にも引き寄せられる作品がある中で読んでいただき本当にありがとうございました。 (2020年2月20日 7時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - Nightさん» Nightさん、コメントありがとうございます。内容を好んでいただけて、本当に嬉しい限りです…昇天できます…。それと、文ストと混ぜる、そして文ストの世界に転生する夢主が喰種という不思議な設定が上手く惹きつけられる要素になっているようで安心しています…orz >> (2020年2月20日 1時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 夜雨ナナトさん» >> 最後になりますが、数多くの作品の中でこの作品を読んで頂きそして、応援していただき本当にありがとうございました (2020年2月20日 1時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hitoesasami | 作成日時:2020年1月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。