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握られた手が熱い。
いつになったらこの熱に慣れる時が来るんだろう。
何も言わず、部屋のソファの上で私の手を握り締めるグルッペンをぼんやりと見つめる。
「不安か？」
グルッペンの口から出た問いに視線をゆっくり彼の手から顔へ上げる。
心の内側まで見透かすような赤い瞳。
不安なんてあるはずがない。
グルッペンがいるだけでいい。
それだけで私は生きていける、他に何もいらない。
それなのにどうして？
いくら体を重ねても、愛の言葉を囁かれても、もっともっと欲しくなる。
私の中の尽きる事のない欲望が、私だけでなくグルッペンさえも蝕んでしまいそう。
それが、怖いの。
グルッペンの親指が私の目尻を拭う。
あぁ、私泣いてるんだ。
そんなに苦しそうな顔させてごめんね、困らせてごめんね。
「謝るな、Aのせいじゃない。」
うわ言のように何度も何度も繰り返す謝罪の言葉は、グルッペンの唇に吸い込まれた。
口の中で絡めとられる舌。
息もできないくらいのキスに、頭の奥がピリピリと痺れる。
「何も考えなくていい、全部やるから。」
ほらまた。
グルッペンの言葉に私の体は素直に喜んでしまう。
胸にじわりと広がる幸福感、そしてまた、もっと欲しいと思ってしまう。
「グルッペン…欲しいの、全部。」
ポロリと、零れた涙。
醜い欲望も、流れる涙も、全部グルッペンは笑顔で受け止めてくれた。
「全部Aの物だ。」
ソファに沈む体と、のしかかるグルッペンの重み。
きっと私は世界で一番強欲な人間だ。
どんな宝も、国も、地位も、名声も…グルッペンに比べればどれもガラクタと同じ。
グルッペン以上に価値のあるものなんて存在しない。
そんな彼の全てが欲しいなんて。
死んだらきっと地獄に落ちるだろう。
それでもいい、私が地獄に落ちてもグルッペンはきっとついて来てくれる。
それだけで、どんなに痛くて苦しい世界だって私にとっては天国に変わる。
全部あげる。
全部ちょうだい。
口に出したかは分からない。
グルッペンの熱でドロドロに溶けた心と体で何も考える事ができなかったから。
ただずっとこのまま、グルッペンと一つになったまま死んでしまえたら。
それはとても幸せな事だと思った。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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