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「なるほどなぁ…まぁそこはちゃんとプロポーズの一つでもしてもらいたいわな。」
「うん…でも急かすみたいで嫌じゃない？そういうのって。」
「Aちゃんは偉いなぁ、ちゃんと男心が分かっとるやん。」
「だよねぇ…。」
鬱先生に連れられてやってきた彼の部屋。
なぜか鬱先生にはするりと悩みを打ち明けることができた。
手の中で湯気を立てるコーヒーカップを見つめると、黒い液体に自分の情けない顔が写る。
「僕がグルちゃんにそれとなく言ってもええけど、Aちゃんはそれじゃ嫌やろ？」
「人に言われてするものじゃないよね…。」
「せやなぁ…。」
二人してうんうんと頭を捻る。
解決の糸口すら見えないが誰かに話を聞いてもらうだけで、心は少し軽くなった。
「まぁどうしようもなくなったらAちゃんからしたらええよ。いい加減お嫁に貰ってくれないと鬱先生と結婚するから！って言えばええやん。」
「ふふっそれ断れたらどうするの？」
「そん時は責任持って僕が貰ってあげるわ、Aちゃんならいつでも大歓迎やで？」
バチっと綺麗に片目を瞑ってウインクをしてくる鬱先生に笑いが零れる。
声を掛けてくれたのが鬱先生でよかった。
他の人だったらこんな風に笑えなかったと思う。
「ありがとう鬱先生。」
「なぁんも解決してへんけどな、残念やけど僕そんな有能やないねん。」
「またまた、謙遜しなくてもいいのに。あ、そうだこれ、お礼に作ったの。よかったら貰ってくれる？」
先ほどキッチンで作ったブラウニーを差し出すと、鬱先生は頬を緩めて受け取ってくれた。
「女の子の手作りとか久しぶりやわ〜」なんて嬉しそうに言ってくれると、作ったかいがあるではないか。
「食べてもええ？」
「うん、コーヒー新しいの入れてくるよ。」
「ありがと。」
鬱先生の前に置かれたカップと自分のカップを手に取り立ち上がる。
あんなに重かった足取りが嘘みたいに軽くなっていた、多分、ちょっと浮かれていたんだろう、私の足は絨毯の毛に取られ、ぐらりと前に傾いた。
突然の事に両手のカップを握り締める。
あ、だめだ、これじゃ受け身が取れない。
来るべき衝撃にぎゅっと目を瞑って耐えたが、体は床に激突することはなかった。
「あっぶな、大丈夫かAちゃん。」
「はーびっくりした。」
「それはこっちの台詞。」
私の体を支えてくれたのは、お腹に回された鬱先生の腕だった。
「ありが―「おい、何してる。」
ふぅと息をついた鬱先生にお礼を言って離れようとした瞬間、扉から聞こえてきたのは超絶不機嫌なド低音ボイスだった…。
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しゅうな。 - 更新停止…初めて読みに来ましたがとても良いお話だと思いました！また更新していただける日を待ち侘びています。 (2021年11月23日 11時) (
レス) @page22 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新停止って知ってても凄くいい話だから何度も読みに来てしまう、そして続きが気になってしんどくなる… (2019年12月22日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ氏 - 更新停止ｯｯ…いい所でｯｯ…気長に待ってますぜ！ (2019年10月7日 21時) (レス) id: 19440439ad (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新停止……ぐぬぬっ…主さん忙しいのかな？……更新待ってますから…ね？ (2019年9月7日 20時) (レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
さとりちゃん - 更新停止・・・ウッ・・・いつまでも待ってるよ。 (2019年4月7日 15時) (レス) id: 92b07cafca (このIDを非表示/違反報告)
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