彼女からの贈り物/utu ページ25
ピーンポーン
日曜日の昼下がり。
インターホンの音に、何か頼んでいたかと疑問に思いながらだらりと玄関へ向かった。
宅配業者から受け取った小包の送り主に見覚えがなかったけれどとりあえず受け取る。
「うーん、思い出せんな。」
いくら眺めても浮かんでこない。
しかし住所と名前は確実に自分宛を示していた。
どこの誰かは分からないが、くれるものなら貰っておこう。
ベリベリと乱暴にガムテープを剥がし、箱の中身を覗き込む。
「……なんやこれ。」
てっきり食料や日用品の類でも入っているかと期待したのに。
箱の中には変な物ばかり。
使い古されたマグカップ。
リサイクルのつもりだろうか、誰かも知らない奴の使ったマグカップなどいくら僕でも遠慮したい。
汚れた灰皿。
そらいくらあっても困らないし、これなら別におさがりでも問題ない。
だけど人にあげるならもう少し綺麗にするべきだろう。
指輪、時計、財布、ネックレス。
しかもどれもこれも安くないブランド物。
多少年季が入っているけど綺麗に使用されていたようだ、売ればいくらかの金にはなるだろう。
しかしまぁ、なんというか気味が悪い。
まるで誰かの遺品でも送られてきたような感じのそれら。
箱から一つ、また一つと取り出すたびに頭を捻るが、全く何も思い出せない。
誰が、何のために、これを僕に送ってきたんだろう。
もう一度、ダンボールに貼られた伝票を見ても女の名前ということしか分からない。
スマホの連絡先を呼び出しても、そんな名前は登録されていなかった。
そうして箱の中身を見ていって、最後に底に残された物を手に取った。
手帳サイズの小さなアルバム。
正直気が進まない。
もしこの送り主の女が写っていたらどうするか。
もしかしたらストーカーかもしれない。
おぞましい物が写っていたらトラウマものだ。
恐る恐る開いたアルバム。
なんてことはない。
そこに写っていたのは僕だった。
可愛い女の子と部屋で撮った写真。
テーブルには先ほど見たマグカップが二つと、灰皿。
クリスマスツリーと指輪。
誕生日ケーキと時計。
箱の中身が全てそこに収められていた。
そしてその全てに僕と、僕の横で幸せそうに笑う彼女の姿があった。
「思い出せんなぁ…。」
分からない、思い出せない。
だけどそれは決して忘れてはいけない事だった。
その理由すら分からないが、なぜか頬にとめどなく流れる涙が、そう僕に思わせた。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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