君に優しくする理由/kn ページ20
中庭でコネシマくんを囲いながら騒ぐ女の子たち。
盗み聞きなんて悪いけど立ち上がったらここにいる事がバレてしまうし、何より話題の中心が私なのだからしょうがないだろう。
壁を挟んだ廊下に座り込んだまま溜息を吐いた。
なんであの子ばかり構うのか。
なんであの子に優しくするのか。
理由なら私の方が知りたいくらいだ。
コネシマくんが見たがっていた本をたまたま私が持っていて。
そこからよく話すようになっただけの関係だった。
明るくてかっこよくて人気者の彼が、地味で冴えない私に構う理由なんてないのに。
私の事を名前で呼んだり、しょっちゅう話しかけてくれたり、困ってる時に助けてくれたり、なんだかんだ優しくしてくれるから…当然彼の事が好きなたくさんの女の子たちから反感を買うわけで。
恐らく彼女たちもコネシマくんが好きなんだろう。
詰め寄る彼女たちに、はぁとかへぇとか聞いてるのかも怪しいようなコネシマくん。
そんな彼の態度に彼女たちも興奮するように声を荒げていく。
どうして、なんで、の言葉はいつの間にかただの私の悪口へ。
地味で暗い、友達が少ない、面白くない、可愛くない。
全部自分でも分かってる。
だからこそ分からないのだ、どうしてコネシマくんは私に優しくしてくれるの？
他人から聞かされる自分の欠点に胸がぎゅっと締め付けられる。
もうここにいたくない。
もしもコネシマくんの口から彼女たちと同じ事を言われたら、もう笑ってなんか話せない。
バレるのを覚悟で立ち去ろうとした瞬間だった。
「つーかA以外に優しくして俺になんの得があるん？」
息が止まるかと思った…。
散々な言われように苦しかった胸がスッとした後、別の意味で苦しくなる。
「俺は好きでもない奴に優しくするほどいい奴やないで。」
コネシマくんの言葉に彼女たちは何も言わない。
静まり返る空間の中で、激しく鳴る心臓の音が向こう側に聞こえてしまいそうだ。
「意味、分かるか？」
彼女たちに言ったのかと思った。
だけど聞こえた声はあまりにも近くて。
上を見上げればそこには、窓からこちらを覗き込むコネシマくんの顔。
「ちゃんと聞こえとったか？意味は分かるやろ？」
眩しいほどの笑顔で、真っすぐにこちらを見る青い瞳。
私は顔を真っ赤にしながら、壊れた人形のようにコクコクと首を縦に振るしかできなかった。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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