世界は君を中心に/gr ページ1
「おはようグルちゃん、朝ですよー。」
カーテンを開ければ日当たりのいい寝室いっぱいに差し込む光。
んん…と小さく唸りながら頭まで毛布を被る愛しい彼。
ぴこりと隙間からはみ出した蜂蜜色の毛先がキラキラと反射して、可愛い姿にふふっと声が漏れた。
「ね、起きて。朝ごはんはパンケーキだよー。たっぷりのバターとメープルシロップに特別にバニラアイスもつけちゃうよー。」
彼と同棲、といえば聞こえはいいが実際は彼に拾われて一緒に住むようになって一月、起こし方も手馴れてきたものだ。
彼の大好きな甘い誘惑にむくりと起き上がる。
「顔、洗って来るわ。」
ガシガシとあちこち跳ねる寝ぐせをつけた柔らかい髪を掻きながら、洗面台に向かうグルちゃん。
腰下までずり下がった黒色のスウェットから覗く白い肌。
今すぐその腰に抱き着いて頬擦りしたいが、そんな事をしたら確実に投げ飛ばされる未来が見えるので我慢する。
愛とは欲望との闘いなのだ。
彼の前ではいつも自分が思春期の男の子のような思考になってしまう。
狂ってしまいそうなほど彼が好きでたまらないのだ。
グルちゃんの匂いが詰まった寝室で大きく深呼吸をしてからキッチンへ向かう。
温かいパンケーキを２段、３段と積み重ねてたっぷりのバターとメープルシロップ、横にバニラアイスを添える、朝からこんなに甘くて重いもの常人ならご遠慮したい所であろう。
でもいいのだ、グルちゃんが好きなんだから。
たくさん糖分を摂取して太ってしまえばいいのに、そうしたら誰かがグルちゃんに言い寄ったりする心配をしなくて済む。
でもグルちゃんの魅力は外見だけではなく中身も男前だから困る。
いっそギャンブルにでもハマってくれて借金まみれのだらしない男になってくれればいいのに。
そんな私の危ない思考を知りもしないグルちゃんは、洗面所から完全に覚醒した表情で出て来て席に着く。
お行儀良く両手を合わせてから大きな口を開いてパンケーキを食べる姿に胸がぎゅうっと締め付けられる。
食べる姿も可愛すぎる！
正面からずっと眺めていたいけど、まだまだやる事はたくさんある。
さっとポケットから櫛を取り出してグルちゃんの後ろに立って、食事の邪魔にならないように跳ねた髪を優しく整える。
できる事なら咀嚼に合わせてゆらゆらと揺れるこの小さな頭を両手で抱え込んで食べてしまいたい。
もう一度言おう、愛とは欲望との闘いなのだ。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - だいぶ前の小説にコメント失礼します。あなた様のエミさんの認識はどうなってるんですか…変態ですか……好きです｡｡｡｡｡｡｡ (2020年12月2日 22時) (
レス) id: 5e03690c33 (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - あ、良かったーびっくりしたゾ（笑）というか見てますよ…！もう光の速さで短編集3へ飛んでったンゴ！そして幸せになりました(小並感) (2017年11月19日 9時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 生真面目な炊飯器さん» 垢間違えてました(笑)短編集３もできましたのでぜひ見て頂けると嬉しいですー！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
生真面目な炊飯器(プロフ) - 短編2までお疲れ様でした♪次は3ですか！楽しみだー（*＾＾*)心ぐるぐるっ待ち♪してます（笑）いつも素敵なお話ありがとうございます！ (2017年11月18日 6時) (レス) id: b04e9ddf40 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - ひらめさん» ひらめさんコメントありがとうございます！そして今まで気付いてなくてすみませんでした！(笑)シッマは難しいんですがコネシマスター達の為にもっと書けるように精進します！！今後も仲良くしてくださいね！！ (2017年11月15日 19時) (レス) id: 5e55a572da (このIDを非表示/違反報告)
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