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西館の最上階、角の部屋。
トントンの助言で極端に警備の薄い箇所を探したら思いあたるのはそこやった。
館内の兵士が少ないのに、角の部屋の前にだけ兵士が一人立っとる。
あんなん不自然すぎるやろ…。
夜の闇に紛れて屋上からロープを繋いで部屋の窓まで降りる。
カーテンの隙間から漏れる光で内部に人がいる事は分かったが、問題はおる人間や。
グルさんの女一人ならいい、窓には中から出られないよう格子状に鉄柵が打ち込まれていて連れ出す事は不可能やけど、グルさんの女の状況さえ分かれば以後の作戦はトントン達が考えてくれるだろう。
やけどもし皇太子や兵士がおったら…こっちの動きが全てバレて終了。
無茶な事はできんな。
もう少し様子を見て、別ルートからの侵入経路を考える方がいいかもしれん。
そう思った時、部屋の中からこちらに動く気配を感じた。
慌てて窓から見えぬよう壁に貼りつく。
カーテンが開いて、中からの光が一気に外に洩れだした。
カラカラという音から鉄格子の内側の窓が開かれたのが分かる。
あっぶな、もうちょい離れなバレそうやな。
「グルッペン…。」
小さな、小さな呟きだった。
夜の静けさにさえかき消されそうなほど小さくて、切なすぎる、祈りを捧げるような。
「あんたグルッペンの女か？」
「えっ？」
「静かに、バレたらマズい。」
無意識やった。
胸を締め付けられそうな切ない呟きに、つい声を掛けてしまった。
「どなた、ですか？」
「ゾム。グルッペンの仲間や。あんたに見えるとこまで行ったらバレそうやから姿は見せれんけど信用してくれ。」
「ゾ、ムさん…。グルッペンから聞いてます、とても強い人だって…。」
「あぁそらよかっ――「グルッペンは元気ですか？」
遮られた言葉はグルッペンの身を案じるもの。
この状況でまずその台詞が出るあたり心底二人が想い合っとるのが分かる。
「ふっ、元気やで。あんたの事助けようと必死になっとる。愛されてんなぁあんた。」
「そう、ですか…。よかった元気で…。」
ズズっと鼻をすする音。
泣いとるんか…まぁそらそうやな、こんなとこに閉じ込められて…よく今まで気丈に頑張ってきたもんや…。
グルさんに会いたいって、それだけの為に。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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