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「あ、目覚めました？」
ニコリと笑って洞窟に入ってきた少女は警戒心のかけらもなく、その手には武器はおろか一枚の布を持っているだけだった。
トレーの上の空になったコップとなくなったパンをチラリと見ると、視線をこちらによこした。
「よかった、食べられたみたいですね。熱も大分下がったみたいだし、動けそうですか？私の家ちょっと歩いたとこなんですけどあなたを抱えて歩けるほど力がなくて…。傷痛みますか？」
少女の視線の先、自分の左肩を見ると矢傷には包帯が巻かれていた。
「…これもお前が？」
「あ、はい。ごめんなさい勝手に。」
「いや、助かった。食事も、感謝する…。」
申し訳なさそうに視線を落とす少女に礼を述べると、先ほどと同じようにニコリと笑った。
目の前まで寄ってきて、すっと手のひらを俺の額に当てる。
驚いた、自分に。
意識のない状態ならまだしも、見ず知らずの人間に触らせるなどあり得ないのに、抵抗しようなんて気が全く起こらなかった。それほど自然に少女は俺に触れたのだ。
「熱、下がりましたね。歩けそうなら私の家で休んで下さい。」
「…こんな不審な男を招くなんて、危機管理能力がないのでは？」
「ふふっ、大丈夫ですよ。私、意外と人を見る目はあるんです。あなたは大丈夫な人。」
おかしそうに笑いながら差し出された手を掴み、立ち上がる。
瞬間、ふわりと香る甘い匂いにトクリと鼓動が鳴ったが気付かない振りをした。
足元のトレーを手に取り出口へ足を運ぶ少女は顔だけこちらを一度振り返った。
「私、Aって言います。お名前伺っても？」
「……グルッペンだ。」
「グルッペンさん。少し歩きますので疲れたら言ってくださいね。」
まただ、追われる身であるのに。
なぜか偽名を使う気にならなかった、危機管理能力がないのは自分の方ではないか。
ただ、自分も彼女と同じだ。人を見る目はあるつもりだし、この少女は大丈夫だ。
無防備すぎる少女の小さな背中を追うように歩き出した。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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