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涙を堪える姿がたまらなく苦しかった。
Aを抱きしめて、その姿を目に焼き付けるようにして一夜を過ごした。
Aがくれたこの温かい気持ち。
知らなかった触れられる気持ち良さ。
守りたいと思う存在。
Aの顔を真っ赤にして照れる顔。
母親のような眼差しで見つめる優しい顔。
キスをするときの蕩けるような表情。
その全てが俺の心に刻み込まれている。
朝になったらここを出よう。
いつまでもこの温もりに触れていたら手放せなくなる。
決意が鈍ってしまいそうになる。
だから夜明けが来るまでは。
この愛しい存在を腕の中に。
そうはいっても朝は来る。
Aの頭を撫でてから起き上がって支度をする。
出会った日に着ていた服はAが綺麗に直してくれていた。
この服を着る事であの日の気持ちを思い出す。
あいつらと共にアスタムを必ず落とすという決意が。
「…A。」
背中に感じる温もりに声を掛ける。
お前を置いていく俺をどうか許して欲しい。
「もう、行くのね。」
「あぁ…あいつらが待ってる。」
「うん。」
抱き締める腕をゆっくりと外す。
壊れ物に触るように、優しく。
手を取り合って向き合うと今にも泣き出しそうな笑顔のA。
胸が張り裂けそうだ。
「気をつけてね。」
「あぁ。」
「ま、ってるから。」
いっそ泣きわめいてくれれば慰める事もできるだろうに。
お前はそんな女じゃないよな。
「必ず、帰るから。」
「うん…！」
もう一度、誓うようにあの約束を口に出す。
抱き締めてキスをする。
この柔らかな感触を決して忘れはしない。
扉の前にはアルが待っていた。
賢いお前は気づいているんだな。
足元に擦り寄るアルはいつもの敵対する態度は微塵も感じさせない。
「Aの事、頼んだぞ。」
そう言うとAの足元に擦り寄るアル。
その目はしっかりと俺の意志を汲み取っていた。
あぁお前になら任せられる、男と男の約束だ。
「行って来る。」
「行ってらっしゃい！」
笑顔で大きく手を振るAに手を上げて前へ進む。
振り返ることはしなかった。
Aの姿を見ると決意が鈍ってしまいそうだった。
それに…。
「こんな顔、見せられんわな。」
頬を伝う温かいもの。
自分で選んだ道なのに、情けなくも出て来るそれを止められない。
それだけAの事を想っているということ。
流れる出るそれを拭うことはせず、ただひたすら前へ進んだ。
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なな - うん。 いや最推しにこんなんされたらもう本当ヤバいなぁ…((語彙力ｯ いやグルちゃんかっこええ~… (2019年9月7日 18時) (
レス) id: 49b689c972 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ＊ - グルさんイケメン…最推しです(*´ー｀*) (2017年9月10日 9時) (レス) id: ab38d97291 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 75さん» 75さんコメントありがとうございます！楽しんで貰えたなら幸いです！！続編も次回作も早くお届けできますよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月22日 12時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
75(プロフ) - ひとちん様初めまして。いつも楽しみに読ませて頂いております。この度は完結おめでとうございます！秀逸な作品構成にどきどきしながらページを送っておりました。続編、次回作共に首を長くしてお待ちしてます！体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。 (2017年8月22日 12時) (レス) id: 97ace52c10 (このIDを非表示/違反報告)
ひとちん(プロフ) - 水鈴さん» 水鈴さんコメントありがとうございます！感想とても嬉しいです！！2では二人のその後などを書かせて頂く予定ですので完成したらぜひそちらもご覧になってくれると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2017年8月21日 22時) (レス) id: 30a8058165 (このIDを非表示/違反報告)
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