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ガ……ッ!!
甚爾「…!」
力一杯振り降ろした短剣…
鈍く何かに突き刺さる音が聞こえた その瞬間、私を包んだのは血の匂いだけ…
A「………?痛く…な……………ハッ!?」バッ
鈍い音…それから血の匂いはするのに、一向に訪れない痛みに対して違和感を覚えて
力強く閉じられていた瞼を開けると…私の握る短剣は、私の胸を後 数cmの場所で寸止めされてた
私の胸に突き刺さる筈だった短剣の刃の部分には、見覚えのある大きな手が添えられていて…
私の真後ろから伸びるその手は…素手で短剣を止めたせいで、刃に当たった箇所から血が一筋伝っている
A「…この…手……」
嘘…そんなの有り得る訳ない…………でも…
間違える訳も無い……この手は…
「ギリギリセーフ…っ………何やってんだよ、A…」
A「…さと……る…さん…っ」グスッ
振り向いた先、そこに居たのは……死んだと聞かさた悟さん本人だった
夢…?幻……?
でも、短剣を受け止めたのと反対の手が私の肩に触れる その温もりは…夢でも幻でもなく本物で……
悟「A、お前は俺が守る…だから死ぬな」
A「…ぅ……っ…悟さ…っ…良か……っ」
生きてた…悟さん……本当に良かった…っ
涙で視界はぼやけて、声も喉につっかえて上手く出せない
震えて力が抜けた隙を突いて、握っていた刃物を悟さんが ゆっくりと私から遠ざける
悟「さて…と………よぉ……久しぶり」スッ
私に向けていた優しい目が一転
悟さんは威圧的な声と、それに似合わない不敵な笑みを浮かべながら男へと視線を向けた
甚爾「……っ……マジか」
悟「大マジ…元気ピンピンだよ」
そう言って、悟さんは前髪を掻き上げて自分の額を相手に見せた
そこには跡こそあれど、既に完治に近い状態の傷口…それが示している事実は……
甚爾「反転術式…!」
悟「正解…オマエに喉ブチ抜かれた時、反撃は諦めて反転術式に全神経を注いだ…
原理は分かってたが俺も今まで出来た事ねぇよ。周りで唯一出来る奴は、何言ってるかサッパリだしな
でも死に際で掴んだ、呪力の核心…
お前の敗因は 俺を首チョンパしなかった事と、頭をぶっ刺すのに 手持ちの有力な呪具を使わなかった事」ハッ
甚爾「…敗因?勝負はこれからだろ」ニッ
A「…!悟さん、駄目です…!もう戦っちゃ……っ」バッ
折角 生き残れたのに…また戦ったら 今度こそ…
悟「大丈夫」スッ
A「…!」
悟「言っただろ…お前を守るよ。だから俺は死んだりしない」
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます! (2022年4月30日 10時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか? (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2022年4月4日 0時