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#179 ページ29

部屋に着いて直ぐに、硝子は真っ直ぐ私を見て本題を聞き出す

A「…私、記憶が戻ったんです」

硝子「…!戻ったって、全部?」

A「はい」

硝子「夏油達と出会った日から、あの事故の日まで…全部?」

A「そうです」

直ぐ話さなかった事、怒るかしら…
傑さんに見抜かれなければ、未だに隠していたかもしれないし…その事もバレたら余計に…

そう思って、何と言われるか身構えたけど

硝子「…」ギュッ

A「…!……硝子…?」

硝子「おかえり(・・・・)、A…」

そう言って優しく抱き締めてくれる硝子の手は、本当に暖かくて…

A「…っ……ただいま…っ」

それに応えるように、私もゆっくりと硝子に腕を回した



硝子「記憶が戻ったって事は、事故の直前の事も思い出したんだね」

A「…!硝子…あの海辺での事、知ってるんですか?」

硝子「大まかには聞いた…けど、詳しい話は聞いてないよ

…それでも、Aが記憶を消してしまいたいと思う程 ショックな事があったんだろうって事は予想がつく」

A「…ショック…な事……」

ショックだったのだろか…ただ、混乱してしまった事は間違いがなくて…

A「…あの時、悟さんから…好きだと言われたんです…

あの言葉を悟さんが、どういうおつもりで発したのかは分かりません…

悟さんには想いを寄せる婚約者が居ると知っていましたし、どれだけ大切に想っていらっしゃるかも十分把握しているつもりでした

私にだって決められた相手が居る…だから、この恋心は秘めたまま…その時が来るまで自分の中でだけで大切にしようって思っていたのに…

なのに……私を好きだと言ってくれた悟さんの表情が、何故だかとても苦しそうで……
ただ単に友人を見る瞳とは思えない程、切なそうに感じて

私、その目を見ていたら…もう…っ…色んな感情が渦巻いて
頭の中がぐちゃぐちゃになって…気が付いたら悟さんの元から逃げる様に走り出していたんです

あのまま悟さんの傍に居続けたら、自分の気持ちが押さえ込めなくなってしまうと思って…

だから、私自身が あの出来事を無かった事にしようとしたんです…記憶を消して」

硝子「…成程……馬鹿だね、A…一人で抱え込んで…」ポンッ

A「…っ」

硝子「よく…頑張ったね」

A「…硝子…っ……ありがと…ございます…っ」グスッ

辛かったね…そう言って頭を優しく撫でてくれる硝子の温もりに、涙が溢れた

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます! (2022年4月30日 10時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか? (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2022年4月4日 0時

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