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傑side
傑「それじゃ、勉強のお邪魔になるし…私はそろそろ戻るね」
A「はい。紅茶、ありがとうございました」
傑「いいえ…また何かあれば呼んで」
ガチャンッ
傑「……ふぅ…」
Aの部屋を出て、少しその場で床に視線を落としながら立ち止まる
_A「明日の夜の件ですが…ポジションチェンジをお願いしたいんです」
突然のその申し出に驚いた
婚約者の居る身で、別の男性と公の場で目立つのは困る
確かにそう理由を聞けば納得の行きそうな物だったが、何故か妙に引っ掛かる気がした
あからさまに何かがおかしい訳では無いんだけど…
そう思うのは、さっき顔を合わせた悟の様子も何処と無くおかしく感じたからかもしれない
夕飯の時、Aを呼びに行って共に戻ってきた時の悟は
平然を装っているようにも見えたが、微かに下がった眉と…落ち着きなく 何度もAをちらちらと見る視線が気になった
何かあったのかと聞いたけど明確な事は言わないし…
…とにかく、明日の事は悟にも相談してみなきゃな
悟「傑」
傑「あぁ…報告は終わったかい?」
一人悶々と考え込んでいたら、電話を終えた悟が帰ってきた
悟「おう。つっても特記事項もねぇし、いつも通りって感じだけどな
にしても…この一週間 本当に何もねぇなんて、逆に気持ち悪いくらいだな
あんな事故まで仕掛けてきた癖に、今度はうんともすんとも動きを見せねぇ…」
傑「本当に…嵐の前の静けさじゃなきゃいいけどね…」
悟「明日の夜の集まりだって、本来なら参加させたく無いけど…Aの父親の指示じゃな…
何も、こんな状況の時に娘を人の多い場所に出向かせなくても…」
眉間に皺を寄せながら、行き場の無い怒りを静かに吐き捨てる
傑「仕方ないさ…こんな状況でも出向けと言うって事は、それだけ大事な集まりなんだろうしね」
勿論、Aの父親にも一週間前の事故の件は報告が行ってる筈だが…硝子の反転術式で傷も残らず、高専関係の記憶が無い事以外は特に私生活に支障もない
どの様に報告内容を聞いたから分からないけど、A自体に変わり無く…普段通りの生活が送れているのなら、Aの父親にとっては
高専関係の記憶が無い事なんて、差程 大きな問題と捉えていないだろうしね
傑「そうだ…その明日の集まりについて、さっきAから相談を受けたんだけど
Aが、明日のエスコートは私が良いって提案してきたんだ」
悟「…は?それ…どう言う…」
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。この章内か、次の章では確実に落ち着きます! (2022年4月30日 10時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 五条悟と夢主ちゃんはいつ結ばれてますか? (2022年4月30日 0時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2022年4月4日 0時