＃１０５ ページ5
揺れる車内で、私はずっと窓の外をじっと見詰めていた
でも、心の中は勿論 穏やかでは無くて…
悟さんはああ言ってくれたけれど、結局 父とどんな取引を交わしたのかは分からず終い
父が何の代償もなく、これだけの横暴を働いた私を…ましてや夕凪も連れて戻って来いなんて事 言うはずがない
やるとすれば、拒否権無く私だけを連れ戻すくらいの事をやりかねないあの人が…
A｢…｣ｸﾞｯ
夕凪｢……お嬢様…大丈夫ですか？｣
A｢あ……ごめんなさい、大丈夫よ｣ﾆｺｯ
私の隣に座る夕凪が、無意識に力の入ってしまった私の様子に気付き 心配そうに顔を覗かせる
駄目…私が深刻な顔していたら、夕凪の不安を煽ってしまう
今は気丈に振る舞わなくては…
夕凪｢…私なら大丈夫ですので…ご無理なさらないで下さい｣ｷﾞｭｯ
A｢…！｣
強ばっていた私の手に、夕凪の手の温もりが重なった
夕凪だって、不安な筈なのに…
A｢ごめんなさい…気を遣わせてしまって……｣
夕凪｢そんな事ございません。お嬢様が必ず守ると仰って下さった時から、今日の事には覚悟が出来ておりましたから…
私も、微力ではございますが…お嬢様をお守りする盾になれるように尽力致します
ですから…そんなに謝らないで下さい……その様に、思い詰めないで下さいませ…｣ﾆｺｯ
A｢…夕凪｣
そうだ…私には夕凪が居る……皆がついててくれる
自分が好む環境を守りたいという強い意志がある
大丈夫…相手が誰であろうと、自分で見つけた居場所と大切な人くらい守ってみせるわ
A｢ありがとう、夕凪｣
夕凪｢いえ…お嬢様には笑顔が一番お似合いですから｣
｢到着致しました。社長室にて、旦那様がお待ちです｣
A｢…っ｣
車で走って暫く、停車したのは父の構えるオフィスのロータリー
案内されたドアの前で、私は震える喉で大きく深呼吸をして…
……ｺﾝｺﾝｯ
A｢…Aです｣
父｢入りなさい｣
ドアの向こうから、重々しい父の声…
私はドアノブに手をかけ、夕凪に目配せをしてから意を決してドアを開けた
父｢…やっと帰ったか｣
窓際に佇む父は、逆光で上手く表情が伺えない
ただ…その声色は威圧的で、少しでも気を緩めれば押し潰されてしまいそうな程だった
A｢この度は…勝手な行動により、多大なご迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした｣
声が……震えてしまいそう…っ
早く…早く夕凪の事について……
｢西条夕凪…｣
夕凪｢…っ…はい…！｣
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P(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。以前もお伝えした通り、粗方のシナリオはあるので…順を追ってという形になります( .. )ストーリーとしては、まだ直ぐには落ち着かない予定です。また更新頻度についても、空いた時間に…という感じなので、申し訳ありません💦 (2022年2月28日 23時) (
レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - Pさん、早く五条悟と夢主ちゃんは結ばれるのですのか？ (2022年2月28日 18時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：P | 作成日時：2022年2月26日 23時
